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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意


「ねえ、どうしてよけるの?」

 瑞月はいつもと違い、囁きかけるような口調。本人が自覚してるか不明だが、妙に色香を纏っているように感じられる。

「それは……」

「ねえ、なんでぇ?」

 倒れた時に捲れ上がっていたシャツ。そこから露出した腹部を両手でさするようにしながら、瑞月は言う。

「今、キスしたら……」

「したら?」

「……止まれなく、なる」

 正直な想いを告げた俺の顔を――

「ふーん」

 上から見下ろしながら、瑞月は微笑む。俺の知らない顔で。

「私にはいろいろ言ったくせに、自分はそうなんだ」

 腹部に触れていた瑞月の手が、スーッとシャツの中を滑り上がってきていた。

「結局は止まろうとして、でも――」

 そして手は、胸板の辺りに至る。

「あ、とてもドキドキしてる――ねえ、お兄ちゃん」

「み、瑞月」

「ふふ、このタイミングで、お兄ちゃんって呼んじゃった。別にいいよね、そんなの今更」

「……ッ!」

 思わず息が漏れたのは、胸板にあった瑞月の指先が意図せず、敏感な箇所を刺激していたからだ。

 その反応を、瑞月が気づいて。

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