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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意


 その自問の答えを曖昧にしたまま、こんな場面にまで至ってしまった。最早、試されているのは俺の方なのか。

「ねえ……やっぱり、なにも言ってくえないの?」

「いや……そうじゃないが」

「いつまでも、とぼけているなら、私からしちゃうよ」

「え?」

「驚かなくても、いいじゃん? だって、キスならしたことあるんだし」

 瑞月はそう言って、右手を俺の肩に置くと、そのまま顔を近づけてくる。

 背景が徐々に、ピンク色に彩られていくような感覚の中で。少し虚ろな眼差し、ほんのりと紅く染めた頬、僅かに突き出された唇――それがゆっくりと迫ってきていた。

「……」

 俺の中でまた、大きな波が生まれようとしている。

「待て、みずきっ――!?」

「きゃっ!」

 キスする寸前、辛うじて理性を保とうとした。ベッドについてた手で身体を離そうと肩を掴むが、瑞月の前進する力と相まってバランスを崩してしまった。

 結果として、瑞月にのしかかられるような形で、俺は背中からベッドに倒れ込んだ。

「平気?」

 瑞月に聞かれ。

「ああ」

 と、答えてはみたものの。

 寝ころんだ俺の上から、下着姿の瑞月が、ほとんど馬乗りになっている体勢。

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