この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
その自問の答えを曖昧にしたまま、こんな場面にまで至ってしまった。最早、試されているのは俺の方なのか。
「ねえ……やっぱり、なにも言ってくえないの?」
「いや……そうじゃないが」
「いつまでも、とぼけているなら、私からしちゃうよ」
「え?」
「驚かなくても、いいじゃん? だって、キスならしたことあるんだし」
瑞月はそう言って、右手を俺の肩に置くと、そのまま顔を近づけてくる。
背景が徐々に、ピンク色に彩られていくような感覚の中で。少し虚ろな眼差し、ほんのりと紅く染めた頬、僅かに突き出された唇――それがゆっくりと迫ってきていた。
「……」
俺の中でまた、大きな波が生まれようとしている。
「待て、みずきっ――!?」
「きゃっ!」
キスする寸前、辛うじて理性を保とうとした。ベッドについてた手で身体を離そうと肩を掴むが、瑞月の前進する力と相まってバランスを崩してしまった。
結果として、瑞月にのしかかられるような形で、俺は背中からベッドに倒れ込んだ。
「平気?」
瑞月に聞かれ。
「ああ」
と、答えてはみたものの。
寝ころんだ俺の上から、下着姿の瑞月が、ほとんど馬乗りになっている体勢。