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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
ホテルに部屋を求め、ドアが閉まり、二人きりの空間となった。その時点をもって、瑞月は自らを雌と化そうとする。
先に部屋に入った、華奢な背中。それがクルリと反転した刹那、こちらを観たその瞳に、既にその妖艶を宿した。
躊躇無く腕を首に絡め、背伸びするように顔を近づけて押し当て、次に貪るように慌ただしく角度を変え、唇で噛むようにして何度も何度も。
そして馴れない濡れた舌を操り、それを頻りに絡め、言葉以上に饒舌に、自らの内なる欲望を、やるせなさを切なさを、俺へと訴えかけているかのよう。
幻想を壊す。瑞月はそのキスにおいても、それを体現しようとするのか。
確かに、この瑞月を俺は知らない。だけど、これも瑞月だ。
キスの責めぎ合いを続けながら、相手の服に手をかけ、それがもどかしければ、自ら服を脱いだ。それを床に落としながら、そのままベッドに倒れ込む。
瑞月も俺も、下着姿。しかし、互いの姿を気に留める暇さえ惜しむように、また唇を吸い合う。そうして、いくらキスを続けても届かないものを手繰り寄せようとして、伸ばした手で互いの肩を抱いた。
上になろうとする瑞月を、そこは制する。枕に後頭部を沈めるようにして、瑞月を仰向けで寝かせる。そして真っ赤な耳たぶを甘く噛み、白い首筋に舌を伝わせていく。
浮き出た鎖骨、それが作る窪み、仄かに汗の香る脇までもキスを施す。それをした時――。