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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意


 結局、俺は瑞月を連れてホテルに来ていた。

 監視が戻っていないかと一応は道中、気にはしてみたけど、見当たらなかった。というか、最早、俺も瑞月もその点を大事とは感じてはおらず、やはり今日の、親父のあの狼狽えた姿が、なんらかの決着を物語っているように思えたから。

 互いの中の幻想を壊したい。そして奇妙な初恋を終わりにしたい。そう、瑞月は言う。

 綺麗なまま(俺たちの場合、既にそうでもないのかもしれないが)とっておけるものならば、少なくとも幻想を抱いてくれているならば、それは壊さなくてもいいのではないか。

 そう思うのは、一抹の寂しさからか。今夜限りで、そうなった時に、明日から二人は恋人でもなく、兄と妹でもない、わけのわからないものになってしまわないか、と考えている。

 けれど、瑞月が望むならば、その奇妙とまでいう初恋の、元凶であるところの、俺であるのだから。

 結局はそうして、誰かのせいにして、俺の本当の気持ちは、いつだってしっかりとした柱のようなものではなくて、言うなれば風に靡く、旗のようなものだから。

 そう、吹き荒む四方からの風に、靡き続けていた。風が止んだ時に、俺の心に訪れるものは虚無か。そう思うと、怖くすらある。

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