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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意


 なんとなく、わかるような気がした。たぶん、俺と同じ気持ちだろう。こうして見つめ合っていると、瑞月と俺、様々な場面が巡っていくのだ。

 子供の頃、手を繋いで歩いたこと。肩を並べて夢中でゲームをしたこと。お菓子を取り合って、喧嘩したこと。

 真実を知って、意識し始めたこと――。

 やがて瑞月は、笑ってるより、どこか拗ねた顔を見せることが、多くなって。どう接していいのか、わからなくなって。自分の気持ちに気づくのが怖くなって――。

 今、二人は男と女になる。その先で、多くのものを失うと、わかりながらも。

 それでも、いつまでもこんな気持ちのままでは、いられないから。

「じゃあ、入れてあげる――私の中に」

「ああ」

 そうして瑞月は、ゆっくりと腰を沈め――

「んっ…………あっ!」

 ――深くまで、俺を迎え入れた。

 繋がったところが熱を帯びていて、けれど、それ以外の感覚が失われて――否、瑞月と同化してしまったような錯覚を覚えた。

「瑞月」

「だ……大丈夫、だから」

 そう言いながらも、俺の胸に手をつきながら、瑞月は震え、苦悶の表情を浮かべる。

 そんな瑞月の手を握り、身体を起こした俺は、強ばった身体を抱きしめた。

「瑞月、好きだ」

「――うん、私も!」

 唇を重ねて舌を絡めていると、瑞月の身体から次第に力が抜けていくのが、わかった。

 両手で腰を支えるようすると、瑞月はゆっくりと動き始めた。俺に縋るように抱きつきながらも、徐々に早く。

 そうして、頃合いがきた頃。

「瑞月」

 俺は瑞月の身体を横たえて。

「いいよ――来て」

 その言葉を受け、今度は俺から貫いていく。

 そして、最期の時を迎える前に。

 瑞月は涙を浮かべ、しかし、微笑みながら言うのである。

「今日まで、ありがとう。お兄ちゃん」

「うん」

 そう答えて、深くまで瑞月の中に入り、そこで、俺は果てるのだった。








【第十一章おわり】


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