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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第12章 エピローグ① その後
◆ ◆
親父である岸本英次の顛末から、先に述べておきたい。
例の半ばテロ的な俺たちの告発を受け、結果として岸本は大きなダメージを受けることとなった。
一番は醜態を晒したことによるイメージの劣悪化といったところか。それにより株価にまで悪影響を及ぼしてしまったのだから、グループのトップとしての面目にしても、かなりの深手を負ってしまったようだ。
イメージを低下させた根本は、瑞月(血の繋がらない娘)に対する異様とも思える執着が世に広まったことであり、すぐに岸本は自ら動画を投稿し、その中で謝罪というか、釈明をしたわけだけど、結果としてはそれも良くなかった。
瑞月に対する厳しい監視体制を認めずに、釈明としたことで、逆に大学の学生や関係者に、その釈明に対する矛盾を指摘されることになると、イメージを更に落とすことになった。
そうなると、今のネット社会は弱り目に祟り目ということなのか。部下や秘書に対するパワハラ、セクハラ疑惑が持ち上がり、岸本の置かれた状況は混沌。中には訴訟にまで発展した件もあり、炎上を沈下させるまでに、かなりの時間を要したようだ。
そこまでの影響については当然、俺自身、予期できるはずもなかったわけだが、結果として様々な人に迷惑をかけてしまったことを考えれば、それを少なくとも喜ぶわけもなく、その岸本の庇護下で贅沢を味わっていた俺だからこそ、複雑な気持ちは残っている。
まあ、そんな事情もあり、瑞月を取り巻く環境も、かなり変わることとなった。あの夏に別荘から帰ってからは、瑞月は母親と共に新たな住居に移ることに。