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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第12章 エピローグ① その後
こうなるに至るには、もう一波乱あって、岸本に対して妻であり瑞月の母である岸本葉月(この様に他人行儀に表すのには一応理由がある)が、離婚するように迫ったこと。今回の件でその女性関係の一部が暴露されたこともあり、怒り心頭というのが、離婚騒動の表向き。
だが、本心では瑞月のためを考えたのだと思われ、その後暫くは別居状態ということで落ち着き、母は自分の元に置くことで娘の自由で新たな生活を見守ろうとしていたのだろう。
瑞月と俺の小さな反乱の顛末は、おおよそこんなところだった。
次に、あの夏以後の、俺自身の変化についても、少し触れておきたい。
まず真っ先にやらなければならなかったのは、別荘を出て自分の居場所を見つけ出すことだった。これについては幸い、移り住むべき場所はすぐに見つかることになった。
それはE県の離島。そこには、俺の実の母の実家があった。岸本から母親のことを聞かされ、その実家を訪ねたのは、夏も終わろうかという頃。そこで俺を迎えてくれた祖父と祖母は、俺の母親が既に他界していることを俺に教えた。
自由奔放な女(ひと)だったらしく、高校を中退して家出同然に離島の生活に見切りをつけると、都会に出て主に水商売をして暮らしていたという。美人であり、恋多き女(ひと)だったという。