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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第14章 エピローグ③ 笑顔と共に
◆ ◆
更に一年後の、ある日のことだ。
「あ!」
「おお!」
スクランブル交差点を横断中、彼女と顔を合わせたのは、ほんの偶然だった。
「あはは、お久しぶりですねー」
「うん、元気そうだね」
「ハイ! とっても!」
少し背が伸びて大人びたような印象の夏輝木葉は、でも目を波打たせると、俺の知るニッコリとした笑顔を作った。
「お兄さん――と、そう呼ぶのも変かな? 岸本さん?」
「今は、高橋だよ」
「あ、そうでしたそうでした! でも、面倒なので、やっぱりお兄さんでいいですよね」
「ハハ……まあ、いいか」
思わず苦笑した。
ちなみに、高橋とは母方の姓でもある。