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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第16章 エピローグ⑤ 誘惑?
バラエティー番組にも出てるだけあって、ちゃんとツッコミとか、できるようになったんだな。と、その成長を喜んでいる場合ではなかった。
俺の目の前で、瑞月の機嫌がどんどん悪くなっているのが、手に取るように見て取れた。そうして――
「あ、そうだ! 今週の週刊誌の――!」
そう言うと、瑞月は頬杖をついて、顔を横に向けた。
「やっぱ、読んだよね……」
「え? まあ……」
実は見出しだけで記事は読んでないのだが、この場合、曖昧にしておいた方がよさそう。
大体、読まなくても内容はおおよその見当はつく。だって、その見出しは――
『逢坂瑞月(23)、イケメン俳優(29)との深夜のお泊まりデート』
と、なんか、よくありそうなやつだし……。
「言っとくけど、お泊まりでもなんでもないから」
「ああ、そうなのか」
「だって、なんだよ。深夜のお泊まりって、お泊まりなら朝までいるでしょ」
「そ、そうだな」
適当に相槌を打っていると、瑞月はテーブルに両手をつき、今度は正面からこちらに訴えかけてくる。
「大体、あの場所、マンションみたく写ってるけど、只のお店だから! 他の人もいて、普通に飲んでただけだからぁ!」
「うん……そんな感じかなって、思ってたよ、俺も」
「……」
瑞月は少し不服そうに顔を歪めてから、一つため息をついて、こう言った。