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Love triangle +1
第5章 塁
「食べられるよ。掃除も洗濯も真理愛が苦手な事全部、俺がやってあげる。夜中のおやつもいくらでも付き合うよ。一緒に食べたら罪悪感も半分になるんじゃない?真理愛はそのままで十分可愛いから、ちょっとぐらい間食しようが、肌のお手入れさぼろうが、全然大丈夫なんだけどね」
「……甘やかし過ぎ。そんなに甘やかしたら私、一年後には絶対太ってる自信ある」
彼は、いつでも優しい。
今日は、もっともっと優しい。
後ろめたさを感じつつ、あまりの猫可愛がりっぷりに真理愛はつい吹いてしまう。
「塁は、初めて会った時からずっと優しいね」
半年前の出会いを、昨日の事のようにまざまざと思い出す。
仕事終わりの夜。
アパートの最寄り駅まで着いたのはいいものの、急に激しく振り出した雨に途方に暮れていた。
朝の天気予報の降水確率は低く、折り畳み傘すら持っていなかった。
暫く待ったら弱まる気もしたが、激務に疲労が蓄積した一日。
ビニール傘をコンビニで買うべきか、あるいは贅沢だけどタクシーを使おうかとも悩んでいた時、突然紺色の傘を横から差し出された。
条件反射的に受け取ってしまってから、その人物を恐る恐る確かめれば、背広を着たサラリーマン風の人間が佇んでいた。
年は多分、同じか少し上。
『よければ使って下さい』
呆気にとられる自分を置き去りに彼は踵を返し、雨の中鞄を傘代わりに足早に走り去って行った。
一人残された自分は傘を握り締めたまま、呆然とただその背中を見送るしかなかった。
「……甘やかし過ぎ。そんなに甘やかしたら私、一年後には絶対太ってる自信ある」
彼は、いつでも優しい。
今日は、もっともっと優しい。
後ろめたさを感じつつ、あまりの猫可愛がりっぷりに真理愛はつい吹いてしまう。
「塁は、初めて会った時からずっと優しいね」
半年前の出会いを、昨日の事のようにまざまざと思い出す。
仕事終わりの夜。
アパートの最寄り駅まで着いたのはいいものの、急に激しく振り出した雨に途方に暮れていた。
朝の天気予報の降水確率は低く、折り畳み傘すら持っていなかった。
暫く待ったら弱まる気もしたが、激務に疲労が蓄積した一日。
ビニール傘をコンビニで買うべきか、あるいは贅沢だけどタクシーを使おうかとも悩んでいた時、突然紺色の傘を横から差し出された。
条件反射的に受け取ってしまってから、その人物を恐る恐る確かめれば、背広を着たサラリーマン風の人間が佇んでいた。
年は多分、同じか少し上。
『よければ使って下さい』
呆気にとられる自分を置き去りに彼は踵を返し、雨の中鞄を傘代わりに足早に走り去って行った。
一人残された自分は傘を握り締めたまま、呆然とただその背中を見送るしかなかった。

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