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Love triangle +1
第5章 塁
追い掛けるにも足場は悪く、第一肝心の彼はとうに視界から消えていた。
恐らく家路に着く途中だったのだろうけど、どこに住んでいるのだろうか。
この土砂降りだ。
帰宅した頃には距離にかかわらず、恐らくずぶ濡れだろう。
せめてこの近くに家がありますようにと、祈らずにはいられなかった。
申し訳なく思い暫く葛藤したが、最終的には傘を開いた。
自分まで濡れて帰っては、折角の彼の厚意を無駄にする事になる。
取っ手には黒いマジックで『イケダ』の文字。
学生時代ならいざ知らず。
社会人で自分の持ち物に未だに記名する人がいるのだと、もの珍しさに思わず驚いてしまった。
そして、お世辞にも綺麗とは言えない字に、笑みが零れた。
雨は冷たかったけど、心は温かく、その傘を差して帰宅した。
「でも最初は、ナンパ目的なのかなって身構えちゃった。見ず知らずの男の人にいきなり声掛けられたら、女は怖いもん」
自分の場合は7年前の事もあり、普通の同性よりも警戒心は高い。
だから尚更驚いたし、体が強張りもした。
ただ過去を告白は出来ないので、世間一般的な範囲での話に留めていた。
真理愛の揶揄に、塁が慌てふためくのも常の事だった。
恐らく家路に着く途中だったのだろうけど、どこに住んでいるのだろうか。
この土砂降りだ。
帰宅した頃には距離にかかわらず、恐らくずぶ濡れだろう。
せめてこの近くに家がありますようにと、祈らずにはいられなかった。
申し訳なく思い暫く葛藤したが、最終的には傘を開いた。
自分まで濡れて帰っては、折角の彼の厚意を無駄にする事になる。
取っ手には黒いマジックで『イケダ』の文字。
学生時代ならいざ知らず。
社会人で自分の持ち物に未だに記名する人がいるのだと、もの珍しさに思わず驚いてしまった。
そして、お世辞にも綺麗とは言えない字に、笑みが零れた。
雨は冷たかったけど、心は温かく、その傘を差して帰宅した。
「でも最初は、ナンパ目的なのかなって身構えちゃった。見ず知らずの男の人にいきなり声掛けられたら、女は怖いもん」
自分の場合は7年前の事もあり、普通の同性よりも警戒心は高い。
だから尚更驚いたし、体が強張りもした。
ただ過去を告白は出来ないので、世間一般的な範囲での話に留めていた。
真理愛の揶揄に、塁が慌てふためくのも常の事だった。

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