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落城
第4章 蠢く指、這い回る舌
「志乃様――」
木格子の中から茜が裸に剥かれた志乃を心配そうに見ていた。
それに気づいた章介が顔を茜に向けた。
「そうだ。立会人はもう一人いたな。お嬢さんもこれを検分するか」
手にした張形を突き付けた。茜は怯えたようにブルブルと顔を左右に振った。
「ハハハ。まあ、よいだろう。そこでしっかり見ておけ」
悪太郎に代わって、章介が張形を手に志乃の足の間に座った。
「ようやく準備が整いましたな。勝負を始めましょうか」
志乃は返事をしなかった。諦めたように目をつぶり、横を向いていた。
「これで時間を測ります。ちょうど半刻分です」
悪太郎が蝋燭を一本持ってきて、志乃の顔の側に置いた。
「よかろう。火をつけろ」
悪太郎が火を灯した。赤い炎がゆらゆらと燃える。志乃がチラッとそれを見た。
「この火が消えるまでが勝負。まいりますぞ。いざ」
章介は張形を脇に置くと、両手で志乃の身体を優しく撫で始めた。指先で円を描くように乳房の外周を撫で、爪を立てて脇腹をサーッと掃く。
いずれも触れるか触れないか、絶妙な柔らかさ――。
「気持ちいいでしょう。天女昇天流摩擦術です」
踊るように手を動かしながら章介が言った。
「気持ちよくなどありません」
「そうですか」
章介は、それ以上何も言わず、志乃の身体を撫で続けた。指は徐々に下半身へと移動していく。太腿からふくらはぎを丁寧に撫でる。つま先までいったところで折り返し、今度はふくらはぎから太腿へと上がってくる。
章介の指が鼠径部に触れた。太腿の線に沿って内腿深くまで掃くように撫でる。しかし大事なところには決して触れようとしない。どこまでも柔らかく、じれったい愛撫――。志乃は徐々に身体が熱くなっていくのを感じた。
「うっ……」
志乃の口から小さな吐息が漏れた。
指は、やがて胸まで戻ってきた。再び乳房の外周を円を描くように撫でる。やはり乳首には触れない。乳輪を優しく擦る。
「志乃殿、感じているのではないですか。乳首が立ってますぞ」
「…………」
志乃は眉間に皺を寄せて長い睫を震わせている。
クックックッ。章介は口元に薄っすらと笑みを浮かべた。
木格子の中から茜が裸に剥かれた志乃を心配そうに見ていた。
それに気づいた章介が顔を茜に向けた。
「そうだ。立会人はもう一人いたな。お嬢さんもこれを検分するか」
手にした張形を突き付けた。茜は怯えたようにブルブルと顔を左右に振った。
「ハハハ。まあ、よいだろう。そこでしっかり見ておけ」
悪太郎に代わって、章介が張形を手に志乃の足の間に座った。
「ようやく準備が整いましたな。勝負を始めましょうか」
志乃は返事をしなかった。諦めたように目をつぶり、横を向いていた。
「これで時間を測ります。ちょうど半刻分です」
悪太郎が蝋燭を一本持ってきて、志乃の顔の側に置いた。
「よかろう。火をつけろ」
悪太郎が火を灯した。赤い炎がゆらゆらと燃える。志乃がチラッとそれを見た。
「この火が消えるまでが勝負。まいりますぞ。いざ」
章介は張形を脇に置くと、両手で志乃の身体を優しく撫で始めた。指先で円を描くように乳房の外周を撫で、爪を立てて脇腹をサーッと掃く。
いずれも触れるか触れないか、絶妙な柔らかさ――。
「気持ちいいでしょう。天女昇天流摩擦術です」
踊るように手を動かしながら章介が言った。
「気持ちよくなどありません」
「そうですか」
章介は、それ以上何も言わず、志乃の身体を撫で続けた。指は徐々に下半身へと移動していく。太腿からふくらはぎを丁寧に撫でる。つま先までいったところで折り返し、今度はふくらはぎから太腿へと上がってくる。
章介の指が鼠径部に触れた。太腿の線に沿って内腿深くまで掃くように撫でる。しかし大事なところには決して触れようとしない。どこまでも柔らかく、じれったい愛撫――。志乃は徐々に身体が熱くなっていくのを感じた。
「うっ……」
志乃の口から小さな吐息が漏れた。
指は、やがて胸まで戻ってきた。再び乳房の外周を円を描くように撫でる。やはり乳首には触れない。乳輪を優しく擦る。
「志乃殿、感じているのではないですか。乳首が立ってますぞ」
「…………」
志乃は眉間に皺を寄せて長い睫を震わせている。
クックックッ。章介は口元に薄っすらと笑みを浮かべた。