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第5章 昇天

「ハァハァ……志乃様……」

「茜、負けちゃだめ、しっかりするのです……うっ、んんーっ……」

志乃は茜を励ました。励ますことで自らの気力を奮い立たせようとした。淫らな責めに耐えようとした。

ピチャ、ピチャ、ピチャ……。

章介の舌がナメクジのように秘裂を這う。レロレロと肉芽を舐め、唇を尖らせて吸い上げる。時折、舌先を秘孔の中に差し込んだり、息を吹きかけたりしてくる。

「く、くぅぅっ――」

なんて上手なんだろう――。頭がぼーっとしてくる中で志乃は思った。

ようやく章介の唇が離れたときには、もう志乃は息も絶え絶えの状態になっていた。自分を保つのがやっとだった。

「ハァ、ハァ、ハァ……」

全身が痺れていて満足に身体を動かすことができない。

「さて、志乃殿の身体の準備もできたようですし、いよいよ随喜丸との勝負を始めようではありませんか」

章介は、脇に置いてあった黒光りする張型を取り上げると手で軽くしごいた。

「ちょっと濡らしたほうがいいですかな。そのほうが挿入が楽になりますから」

章介は志乃の鼻を摘まんだ。

「何をするのです……ングっ！」

呼吸をするために開いた志乃の口に強引に張形を突っ込む。志乃の美しい顔が歪んだ。

「苦しいかも知れませんが、少しだけ我慢してください。随喜丸に唾液がたっぷりついたら、ちゃんと下の口に入れてあげますから」

張形を容赦なくグリグリと回す。

「ン、ンンーッ！」

息ができない――。志乃の顔が赤くなっていく。

「そろそろいいかな」

真っ赤になったところで、ようやく章介は張形を抜いた。

「ハァ……ハァ……ハァ……」志乃は肩で息をしていた。「佐々木殿、あなたという人は――」志乃は章介を睨んだ。よほど苦しかったのだろう、目尻から涙が零れている。

「まあ、そんなに怒らないでください。これも志乃殿のためにしたことですから。ほら、ご覧ください。ほどよく唾液が付いた。これで大丈夫。挿入しても痛くありませんよ。ハハハ」

章介は志乃の鼻先に唾液をたっぷりと纏った張形を突き付けた。志乃は逃げるように顔を背けた。