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落城
第2章 淫らな勝負
牢屋の中に女が二人並んで座っていた。二人とも後手に麻縄で手首を縛られている。着ているものこそ庶民のものだが、毅然とした態度で姿勢を崩すこともなく正座している姿は、間違いなく二人が武家の女であることを示していた。
それにその美貌。年上の女のほうは、彫が深く端正な顔立ちをしている。肌も透き通るように白い。人妻らしくほどよく脂が乗り、清楚な美しさの中に、どこか艶めいた色気を感じさせた。
若いほうの女は、まだあどけなさが残っており、美女というよりも美少女という感じだった。印象的な黒目勝ちの瞳に通った鼻筋。少年のようにキリっとした顔をしている。
「んっ、んんーっ!」
若い方の女が手首を縛っている縄を切ろうと身体をひねり懸命に力を入れた。しかし、縄は切れない。
「はぁはぁはぁ……もう一度。んっ、んんーっ!」
「茜、もうおやめなさい。そんなことをしても切れません。あなたの傷が増えるだけです」
年上の女は動じた様子もなく、平然と座っている。
「そんなことを言われても、私のせいでこんなことになってしまったのです。なんとか抜け出さないと……んっ、んんーっ!」
「あなたのせいではありません。多勢に無勢。どうしようもありませんでした」
「はぁはぁはぁ……でも私がちゃんと若君を守ることができれば、あいつらに若君を奪われることさえなければ、こんなことには……んっ、んんーっ!」
「そう自分を責めるものではありません。あのまま無理して戦っていたら、おそらく若君はケガをされていたでしょう。もしかしたらお命が危なかったかも知れません。あなたはよくやりました」
「はぁはぁはぁ……志乃様、ダメです。切れません」
茜は身体から力を抜いた。
「ようやく、わかったようですね」
志乃は茜を見ると優しく微笑んだ。
それにその美貌。年上の女のほうは、彫が深く端正な顔立ちをしている。肌も透き通るように白い。人妻らしくほどよく脂が乗り、清楚な美しさの中に、どこか艶めいた色気を感じさせた。
若いほうの女は、まだあどけなさが残っており、美女というよりも美少女という感じだった。印象的な黒目勝ちの瞳に通った鼻筋。少年のようにキリっとした顔をしている。
「んっ、んんーっ!」
若い方の女が手首を縛っている縄を切ろうと身体をひねり懸命に力を入れた。しかし、縄は切れない。
「はぁはぁはぁ……もう一度。んっ、んんーっ!」
「茜、もうおやめなさい。そんなことをしても切れません。あなたの傷が増えるだけです」
年上の女は動じた様子もなく、平然と座っている。
「そんなことを言われても、私のせいでこんなことになってしまったのです。なんとか抜け出さないと……んっ、んんーっ!」
「あなたのせいではありません。多勢に無勢。どうしようもありませんでした」
「はぁはぁはぁ……でも私がちゃんと若君を守ることができれば、あいつらに若君を奪われることさえなければ、こんなことには……んっ、んんーっ!」
「そう自分を責めるものではありません。あのまま無理して戦っていたら、おそらく若君はケガをされていたでしょう。もしかしたらお命が危なかったかも知れません。あなたはよくやりました」
「はぁはぁはぁ……志乃様、ダメです。切れません」
茜は身体から力を抜いた。
「ようやく、わかったようですね」
志乃は茜を見ると優しく微笑んだ。