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落城
第7章 敗北
「拙者の勝ちですな」

章介が勝ち誇ったように言った。志乃は目を閉じたまま性の快楽に身体を震わせている。長い睫毛がフルフルと震えている。

「約束です。このまま出しますよ」

章介は身体を繋げたまま、再び志乃を仰向けに寝かし、最後の仕上げにかかった。これでもかと激しく腰を動かした。

「ああ、気持ちいい……」

章介の顔が快感に歪む。

「あん、あん、あん……ん、んんっ……」

清七郎さん――。章介に子宮を突かれながら、志乃は、清七郎と初めて結ばれた夜を思い出していた。

「痛くないか」

志乃に挿入した清七郎は聞いてくれた。痛いけど、耐えられない痛さではない。

「大丈夫ですから、どうぞお好きなように動いてください」

志乃は答えたが、それでも清七郎は、志乃の身体を気遣うようにゆっくりと小さく腰を動かしてくれた。その優しさが嬉しかった。

そして最後、子宮に清七郎が放つ精液が当たるのを感じたとき、この人と結ばれたことを強く感じた。志乃は、一生添い遂げようと思った。

それから4年。清七郎はいつも優しかった。子供はできなかったが、文句を言わず、志乃を愛してくれた。志乃もそれで満足だった。清七郎の腕の中で女の幸せを感じていた。

章介は、清七郎とは全然違う。自分を失ってしまいそうになるような強烈な快感に身体が痺れている。こんな経験は初めてだった。

最初のうちは嫌だったが、繰り返し気をやらされているうちに、身体が章介に馴染んでいくのを感じた。

志乃の身体が性の快楽を求めて暴走した。もっと強い快感が欲しい。もっと深い快感を与えて――。気づくと志乃は自分から章介を求めるように腰を動かしていた。

この快感を教えてくれたのが、清七郎だったらよかったのに――。志乃は思わずにいられなかった。

そして章介もついに最後を迎えようとしている。肉棒がこれまでよりも大きく膨らんでいるのがわかる。

欲しい。章介の子種が欲しい。子宮がそう叫んでいる。章介が果てるとき、果てして自分はどんなふうになるのだろうか――。期待している自分が悲しかったが、腰が動くのを止められなかった。

「うっ……志乃殿、イキそうですっ。出そうですっ」

章介の顔が苦しそうに歪んだ。

「ハッハッハッ……私もイキそう……」

志乃も顔を歪めて答えた。
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