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父子の夜
第15章 満月の夜の獣たち
犬のように従順な上、猫のように愛らしい雄平。
自身の胸の奥に眠る征服欲を掻き立てられるのだ。
(ダメだなぁ、俺……)
過去に正気を失った時も、我に返るのは、やらかした後か、雄平の行動によって、だ。
自分では、自分自身をコントロール出来ていない。
(これじゃあ、犬畜生と同じだ。……いや、こんな幼い息子に手を出したんだ。畜生以下か。)
鉄平は自己嫌悪に陥りながら、カーテンの隙間から覗く満月を見上げる。
満月、畜生……獣……。
狼男。
ガウッ…と襲ってやりたいところだが、狼男は自己嫌悪中。耳を後ろに垂らしてしまっている。
「とぉ…ちゃ……ボク、もう…平気だよ?だから、続き…やろっ…」
見るからに平気そうな顔ではない雄平。
雄平は嘘をついている。
狼少年。
(雄平のは、優しい嘘だがな。)
鉄平は、またもソレに甘える。
チュッと胃液がついていようがキスをする。
「んじゃ、またしゃぶってくれ!」
「うんっ!!」
二匹の獣たちは、また寄り添い、交尾の準備に勤しむのだった。