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Call Girl
第1章  Call 1
(1)初体験
銀座にあるショットバーMのカウンター席で樋口佳穂27歳はお客である高橋亨とグラスを傾けながら話をしている。

佳穂はクラブプリマヴェーラから電話で客先に行き客とセックスをする仕事をしている。
それが、コールガールである佳穂の仕事である。

1回の料金は5万円からで上限はない。
そのうちの60%を報酬として佳穂に支払われるシステムになっている。

高橋は酒のグラスを傾けながら、グラスの中の氷をカラカラと鳴らした。
そして、タバコに火を付けて思い切り肺に吸い込み吐き出した。

その煙は隣で座っている佳穂の所にも流れてくる。
佳穂はギムレットを飲んでいた。

高橋がタバコをくゆらせながら話しかけてくる。

「何故、君はこんな仕事をしてるんだい?」
「何故?って?」

そう言うと佳穂は微笑み今まで飲んでいたマティーニのグラスに入っているオリーブを口に運んだ。

そのオリーブはまるでサクランボの様に佳穂のちょっとぽっちゃりとした赤い唇の口の中に吸い込まれるように入ってゆく。

それを美味しそうに頬張りながら佳穂は答える。

「それはね、私の初体験に関係してるかも。私のセックスの初体験は20歳の時だったの。今時の若い人たちからしたらとても遅い方だと思う。その時までキスもしたことなかった。キスもセックスもその時が初めてだった。相手の男の子も同じ歳で20歳だったわ」

そう答えると佳穂はギムレットを飲み干した。

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