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Call Girl
第2章 Call 2
その沈黙を破って藤堂が話始めた。
「実はね、佳穂ちゃん、黒崎さん亡くなる前日に佳穂ちゃんの報酬をボーナス入れて振り込んでくれていたんだ。黒崎さんはボーナスを佳穂ちゃんに渡してくれって僕は電話で言われていたんだよ」
そう言うと封筒を佳穂に渡した。
その封筒はかなり分厚い感じがしたのだ。
手に取ると微かに重さを感じた。
佳穂はその封筒を手に取ると頬に涙が流れて行くのを感じていた。
藤堂は佳穂が座っているソファーの隣にゆっくりと腰かけた。
そして、優しくその身体を抱きしめていた。
「藤堂さん、私…」
「もう、それ以上何も言わなくていいから…」
「ごめんなさい…」
そう言うと佳穂は藤堂の胸の中で泣いた。
それは、嗚咽の様だった。
もっと激しく泣けばいいのに…と、藤堂は思っていた。
藤堂は佳穂の事が好きなのだ。
そんな佳穂の悲しい姿を見ていると余計に自分も辛くなるのだった。
テーブルに置かれた珈琲はすでに冷たくなっていた。
黒崎との関係はこうして終わりを告げた。
だが、佳穂のコールガールとしての仕事は続いてゆくのであった。