パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第3章 　Call 3

（1）みなとみらい
黒崎が事故死してから3か月が経っていた。
佳穂はその間、仕事ができる状態ではなかった。

クラブのオーナーの藤堂はそんな佳穂を見て、暫く仕事を休むようにと言ってきた。
その言葉に甘え、3か月ほど仕事を休んだのである。

佳穂は毎日音楽も掛けず、テレビも観ない無音の生活をしていた。
それ程までに、心は傷つきショックを受けていたのだ。

でも、いつまでもこんな状態ではいけないと思っていた。

そして、また客を取ることにしたのだ。
心は余り晴れなかったが仕事をしていれば気分も晴れいくだろうと思っていた。

佳穂は起きるとピルを飲み珈琲を淹れてソファーに腰かけて新聞を読みながらそれを飲んでいた。
今朝の天気は心と裏腹にとても良い天気だった。

飼い猫2匹はリビングの部屋の窓に寄り添って日向ぼっこをしている。
そんな姿を見ると微笑ましく感じるのだった。

ゆるりと珈琲を飲んでいる時だ。
佳穂の携帯がまた鳴ったのだ。

「もしもし…」
「佳穂ちゃん、藤堂だけど今日空いてる？」

「はい、空いてますけど」
「じゃ、桜木町に11時で待ち合わせでお願いするよ」

「わかりました」

そう言うと電話は切れた。