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S-Horror
第1章 月光
「彰…なんだよさっきからぼうっとして…」
「あぁ…窓の蟲がすげぇなって…」
「夏のファミレスやコンビニあるあるだな…」
「なぁに…何の話し?…」
聡の彼女の美春がメロンソーダを手に戻って来た。
「ん?…虫の話し…」
「やめてよ気持ち悪い…」
向かいの席でいちゃつく二人を眺めていると俺の隣の怜奈が話しかけてくる。
「アキラ…今何時?……」
俺はスマホで時間を確かめる…午前2時が近かった。
「…なんとかどきってやつ…」
「なんとかどきって何よ…あぁ…牛だっけ、馬だっけ……」
俺はテーブルに片肘をつき、あどけなく笑う怜奈を見つめていた。
「何をぶつぶつ言ってんだよ…そういや、もうひと月になるな…」
聡がそう言うと美春が俺の彼女を見た。
「学校で飛び降り自殺なんてどうかしてるだろ…なんだっけ理由…」
「お前…そんな言い方、取り憑かれんぞ…」
「なに、聡びびってんの?…」
「アホか…俺はそんなことが言いたいんじゃなくて…」
聡は明らかに蒼褪めていて、俺は煽るように続けた。
「肝試し行かね?…学校に…」
「彰くんっ…冗談だよね…」
美春がストローを回す指を止めて、睨むように俺を見つめてくる。
「美春ちゃんも怖いんだ…」
俺は怜奈はどうする?…と隣へと視線を向ける。
「私も怖いけど…アキラが一緒ならいいよ……」
「決まりだな…」
「何を勝手に決めてんだよ…美春は嫌がってるだろ…」
「大丈夫だって…知ってる奴で肝試しって、なかなかスリリングだろ…ほら、聡…ここは奢ってやるから行こうぜ…美春ちゃんも聡が一緒なら怖くないって…」
何故か俺は強引に話しを進めて、伝票を手に席を立った。
「ご馳走さん…彰が行くんなら付き合ってやるよ…」
スクーターに跨がる俺に、聡は渋々といった感じで自転車の鍵を差していた。
「そんなに遠くないけどお前ら自転車で平気か?…」
「平気なわけないでしょ…」
美春は本当に嫌がってるらしい。
「電動補助をナメんな…新車だぞ…」
俺は聡の言い方に笑いを吹いた。
「じゃ、さっさと出発しろよ…どうせすぐに追い越すけどな…」
俺は2人乗りの聡と美春を見送ると…
「…メットひとつしかないから怜奈が被れよ…」
「ううん…アキラが使って私は大丈夫だから……」
「じゃあ、しっかり掴まってろよ…」
「あぁ…窓の蟲がすげぇなって…」
「夏のファミレスやコンビニあるあるだな…」
「なぁに…何の話し?…」
聡の彼女の美春がメロンソーダを手に戻って来た。
「ん?…虫の話し…」
「やめてよ気持ち悪い…」
向かいの席でいちゃつく二人を眺めていると俺の隣の怜奈が話しかけてくる。
「アキラ…今何時?……」
俺はスマホで時間を確かめる…午前2時が近かった。
「…なんとかどきってやつ…」
「なんとかどきって何よ…あぁ…牛だっけ、馬だっけ……」
俺はテーブルに片肘をつき、あどけなく笑う怜奈を見つめていた。
「何をぶつぶつ言ってんだよ…そういや、もうひと月になるな…」
聡がそう言うと美春が俺の彼女を見た。
「学校で飛び降り自殺なんてどうかしてるだろ…なんだっけ理由…」
「お前…そんな言い方、取り憑かれんぞ…」
「なに、聡びびってんの?…」
「アホか…俺はそんなことが言いたいんじゃなくて…」
聡は明らかに蒼褪めていて、俺は煽るように続けた。
「肝試し行かね?…学校に…」
「彰くんっ…冗談だよね…」
美春がストローを回す指を止めて、睨むように俺を見つめてくる。
「美春ちゃんも怖いんだ…」
俺は怜奈はどうする?…と隣へと視線を向ける。
「私も怖いけど…アキラが一緒ならいいよ……」
「決まりだな…」
「何を勝手に決めてんだよ…美春は嫌がってるだろ…」
「大丈夫だって…知ってる奴で肝試しって、なかなかスリリングだろ…ほら、聡…ここは奢ってやるから行こうぜ…美春ちゃんも聡が一緒なら怖くないって…」
何故か俺は強引に話しを進めて、伝票を手に席を立った。
「ご馳走さん…彰が行くんなら付き合ってやるよ…」
スクーターに跨がる俺に、聡は渋々といった感じで自転車の鍵を差していた。
「そんなに遠くないけどお前ら自転車で平気か?…」
「平気なわけないでしょ…」
美春は本当に嫌がってるらしい。
「電動補助をナメんな…新車だぞ…」
俺は聡の言い方に笑いを吹いた。
「じゃ、さっさと出発しろよ…どうせすぐに追い越すけどな…」
俺は2人乗りの聡と美春を見送ると…
「…メットひとつしかないから怜奈が被れよ…」
「ううん…アキラが使って私は大丈夫だから……」
「じゃあ、しっかり掴まってろよ…」