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S-Horror
第2章 破片
「鏡の…破片…」

今度は女が息を呑んだ。

「なんで?…課長……知ってたの?……」

夢の中のあの娘は俺に犯されていた。
あの時のように、俺に組み敷かれ泣き叫びながら俺の射精を中で受け止めていた。

「嫌だ…嫌だ……」

服を着て飛び出していったあの娘は
夢の中では、裸のまま浴室に飛び込んでいった。
そしてすぐに硝子の割れるような音がする。
俺は慌てて浴室のドアを開ける。

そこには割れた鏡の破片を握って、お腹に何度も突き刺すあの娘の姿があった。

血塗れだ…。
浴室の壁も床も…飛び散る血が浴槽のお湯までも真っ赤に染めていく。

それでも止めようとしない。
ぐちゅっ…ぐぶっ…て肉に刺さり込む音が止まない。
俺は飛び散る血を浴びながら近づいていく。
振りかざす手首を掴んで止めると…その娘は怨めしそうに俺を見つめて言うんだ。

「…絶対に赦さない……」

その一言を呟いたのは、今目の前にいる方の彼女だった。
夢を彷徨っていた俺は顔を上げた。

「探しましたよ…姉が顔を腫らして戻ってきた日のことなんて警察に相談しても何もわからなかったんだから……」

「じゃあ…なんで?…」

「…私…課長と寝るの二回目なんです……あの時もすごく酔ってましたよ……眼鏡を外した私を視て…そっくりだって……それって私の姉のことでしょ……」

「だからって…」

「言いましたよね…姉が教えてくれたって……課長……どうしますか?……私…ピルなんて飲んでませんよ……」

【俺は全て失うのか…】

「これが何の復讐になるって言うんだ…」

「全部失くしてしまえばいい……社会的地位も……家族も……あぁ…娘さんが知ったらなんて言うんでしょうね……」

俺はゆっくりと立ち上がると…ふらふらと歩き出した。
浴室には大きな鏡があった。
俺の後ろであの娘が笑っていてるのが写り込んでいた。

「消えろっ…」

鏡越しのその娘の顔を思いきり殴っていた。

部屋に戻る俺の両手には鏡の破片が握られている。

「お前も消えてくれよ…頼むよ…俺の…俺の家族の前からも…」

女は声ひとつ上げることはなかった。
白いシーツに血飛沫が飛び散る。

「もっとか?…もっと刺したのか?…」

「うん…もっと刺したの……もっと…もっと…もっともっと……」

彼女の悲鳴は聞こえない。
でも真っ赤なお腹から、赤ちゃんの泣き声が聞こえていた。
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