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S-Horror
第2章 破片
「何でお前がっ…」

酔いのせいなのか、力が思うように入らない。
強引に引き抜こうとした力を利用されるように女が上になった。

「…っん……憶えてるんだ…私のことっ……」

女は容赦なく腰を振ってくる。
恐怖と同時に射精感が襲ってくる。
肉棒に伝わるのは、ねっとりとした生の女の感触。

「や、やめろっ…ゴムっ、してないんだろっ…」

「…あの時もっ…っん…私っ…やめてって言わなかった?……」

【復讐!?…なのかっ…】

本当にあの時の女なのか。

「離れろっ…ほんとに、出ちまうぞっ…」

「はぁっ…困る?……他所の女に子供ができたらっ……立場も家庭も失うのが恐いっ?……」

俺は尻に力を込めて射精を堪える。
女は腰の激しさを増していった。

「頼むっ…赦してくれっ…おぁっ…」

「…ぁあっ…出たぁっ……中にっ……ぁんっ……凄いっ量っん……」

女は搾り取るように腰を跳ね締めつけてきた。

「はぁっ…ぅっ、ぁぁ…何でこんなこと…」

「なんで?…お姉ちゃんが夢に出てくるのよ……悔しいっ、悔しいって…毎晩、毎晩……全部お姉ちゃんが教えてくれた……」

女はゆっくりと腰を持ち上げ、肉棒を抜き取っていく。
やはり何も着けていなかった。
抜ける同時に俺のは縮みあがるように萎えていった。
その上に…ぼたり…ぼたりと…抜けた穴から精液が垂れ落ちてきた。

「…お前はいったい?…」

「まだわかりませんか?…課長……」

女は纏めていた髪を振りほどき、ベッドサイドにあった眼鏡をかける。
いつも俺をサポートしてくれる、酔った俺を気遣ってくれた部下だった。
そして彼女は溢すように語りだした。

「私の双子の姉は身籠りましたよ……何処の誰かも判らない男の子供を……よほど恐い想いをしたんでしょ……顔を腫らして帰ってきてから…明るかった姉は引きこもり…殆んど口を利かなくなりました……どんどん痩せていくのに…少しずつお腹が大きくなっていくんです……」

「お、俺の子だったのか…」

彼女は俺をカッと睨んだ。
俺はその憎悪に満ちた視線に怯んでいた。

「姉は誰にも話すことができずに、悩んで…苦しんで…もう判断なんてつかなくなっていたんでしょう……自殺したんです……」

【まさか…】

俺は押し黙って彼女の話を聞くしかなかった。

「…ねぇ、課長……姉がどうやって死んだか想像できますか?……」
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