この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
S-Horror
第1章 月光
「……うわぁっ……はぁっ…はぁっ…」

気がつくと、俺は自室のベッドの上で跳ね起きていた。

【…なんで俺はここに…】

夢?…夢だったというのか。

部屋着のTシャツと短パンだった。
汗だくということ以外、普段通りに思えた。

下に降りると…「今日から2学期なのにいつまで寝てるの…」と、母に小言を言われた。

とにかく学校だ。
怜奈に確かめれば夢かどうかはっきりする。

「おはよ…」

俺はクラスメイトに適当な挨拶をしながら自分の席に鞄を置いた。

「おいっ、彰…どうしたんだよ…すっげぇ顔色悪いぞ…」

声をかけてきたのは聡だった。

「そうか?…寝不足だからだろ…聡も昨日は付き合わせて悪かったな…」

「そりゃ、俺達もお前一人残して悪かったけど…」

【はぁ?…ひとり?…】

それより俺は教室を見渡した。

「怜奈はまだか?…聡も怜奈、まだ見てない?…」

蒼褪めたのは聡だった。

「…怜奈って…三橋怜奈のこと言ってんのか…」

「三橋?…何言ってんだよ…怜奈は怜奈だろ…俺の彼女の…」

聡は俺の腕を掴んで教室の隅まで引っ張っていった。
そして小声で話し出した。

「新学期早々、冗談なら趣味悪すぎんぞ…三橋怜奈はお前がこっぴどくふった女だろ…あんなブサイクが生意気だとか言って、カーストトップだったお前が他の奴らにも無視するように仕向けた…そして飛び下りたんだ…学校はいじめはなかったとか言ってたけど…中にはお前のせいで自殺したなんて噂してる奴もいるんだ…ちょっと大人しくしてろよ…」

【何言ってんだよ…そんなバカなこと…】

ホームルームのチャイムが鳴った。
結局、それっきり聡とは口をきかなかった。

その日の下校途中、聡がトラックに跳ねられ死んだ。

俺は何がなんだかわからなくなっていた。
怜奈の席はクラスに在るのに、誰も怜奈のことを話題にしない。
そして俺も間違いなく避けられていた。

【あぁ、そうか…カーストトップじゃなくなってた…】

聡が亡くなる日の朝言ったことは全て真実だと思い出していた。
夏休み最後の日は、やはり最悪の悪夢だったというわけだ。

葬儀の参列の中に美春の姿を見つけた。
俺はなんだか気まずくて声をかけることもできなかった。
焼香を済ませて葬儀場から立ち去ろうとしていた。

誰かに肩を叩かれ振り向くと美春が立っていた。

【なんで笑顔…】
/20ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ