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S-Horror
第2章 破片
何で今になって…夢にあの女が出てくるようになったのか…。

「課長…課長……」

オフィスのデスクで部下の女性から声をかけられ、ハッと返事をした。

「2番に外線からです……」

電話機の点滅するボタンを押す。
覇気のなかった声は先方からの返事に確実にトーンが上がっていた。

「みんな、やったぞ…先日のプレゼンはうちが獲ったぞ…」

島になったデスクに座っていた皆も声を挙げた。

「やりましたね、課長……」

「あぁ…みんなが頑張ってくれたおかげだ…今夜どうだ?…祝勝会でも…」

本当に皆よく頑張ったのだ、異議を唱える者などいなかった。

俺は46歳、この会社に入って20数年が経っていた。
この仕事を勝ち獲り、企画そのものが成功すれば部長の椅子だって夢じゃなくなる。
妻も喜んでくれるだろう。
愛娘の行きたがっている有名私立だって応援してやれる。

久しぶりの会社メンバーでの飲み会でも意気揚々とグラスを空けていた。

「みんな本当に大変なのはこれからだ…これからもよろしく頼むぞ…お疲れさんっ…」

そう締めの挨拶をして席を立つと、少しふらついた。

「大丈夫ですか…課長、飲み過ぎですよ……」

「あぁ…そうだな…つい、嬉しくてな…」

背中を支えてくれたのは部下の女性だった。
眼鏡のよく似合う、髪の長い美人の部下。

「方向おんなじですよね…タクシーでお送りしますから……」

タクシーに彼女と乗り込んだまでは憶えていた。

「…ぁんっ……凄いっ…激しっん……ぁんっ……」

気づいたら俺に組み敷かれて女は喘ぎ声を上げていた。

【何してるんだ…俺は…】

ホテルのベッドの上!?
俺が腰を打つけてるのは一緒いた部下の女じゃない。

だが、俺はこの女性を知っている。
ずいぶんと昔抱いた…そして毎晩夢に出てくる女だ。

俺が30少しだった頃、地方に出張したことがあった。
接待の後、酔い醒ましにホテル迄の距離を一人で歩いていた。
ビルの前の短い階段に…まだ女の子と言ってもいいその女は座っていた。
困った顔で俺を見つめてきた。
俺は何気に声をかけた。
家出してきたらしい。

【こんなことってあるのか…】

酒と地方出張で気が緩んでいたのか、
この絵に描いたような偶然を利用した。

その娘も何かを抱えていたのかもしれない。
酔った男について行ってどうなるかくらい理解していただろう。
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