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Squall(スコール)〜ボクっ娘は雨に濡れて拾われる
第4章 襲う
 彼のシャツはスミカには大きすぎた。余った袖をまくっている。腕が細い。揃えた足も膝も頼りなげに細い。ほっそりして白い肌をしている。

「あのう」
「なんだ」
「まだお名前をうかがっていません」
「知りたいのか」
「はい」

 小さな口でもぐもぐとピザを食べる。

「狩野征也だ」
「ユキヤさん?」
「繰り返さんでいい。レストランの注文じゃあるまいし」
「…はい」
「何が可笑しい」
「えっ」
「今、笑っただろう」
「面白い人だなって思ったので」
「誰がだ」
「ユキヤさんです。怖い人かなって思っていたから」

 征也がソファーから、ゆらっと立ち上がった。ローテーブルの向こう側へ回り、冷たい目でスミカを見下ろす。

「はい?」

 ピザを食べるのを中断した。不思議そうに征也を見上げる。…と、いきなり征也が動いた。

 華奢な肩を捕まえ、押し倒す。そのまま、スミカにのしかかった。
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