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Squall(スコール)〜ボクっ娘は雨に濡れて拾われる
第5章 雨
…何か聞こえた気がした。キーボードを打つのを止め、彼は顔を上げた。カーテンの向こうが少し明るくなっていた。ソファーから立ち上がり、窓に寄って外を眺める。
雨は少し小ぶりになったようだ。一面のダークグレイだった空も、雲に濃淡のグラデーションが見えてきた。
そういえば…あいつはどこへ行った。
振り返る。もちろん誰もいない。そうだ、と彼は思い出した。トイレに行きたいと言われたのを思い出したが、あれからけっこう時間が経っている気がした。
「あ。やべ。しまった」
また思い出した。トイレの場所を間違えて教えたことをだ。
あっちのドアを出て右だったのに、つい上の空で、そっちのドアを出て左なんて言ってしまった。
また何か聞こえた。人の声だった。
「チッ…」
雨は少し小ぶりになったようだ。一面のダークグレイだった空も、雲に濃淡のグラデーションが見えてきた。
そういえば…あいつはどこへ行った。
振り返る。もちろん誰もいない。そうだ、と彼は思い出した。トイレに行きたいと言われたのを思い出したが、あれからけっこう時間が経っている気がした。
「あ。やべ。しまった」
また思い出した。トイレの場所を間違えて教えたことをだ。
あっちのドアを出て右だったのに、つい上の空で、そっちのドアを出て左なんて言ってしまった。
また何か聞こえた。人の声だった。
「チッ…」