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波乗りの浜
第1章 波乗りの浜
 ④
 しゃがんでいるJKの様子を着替えをしながら見ると…
「あっ、今、わたしのパンツ見ようとしていたでしょう」
 突然立ち上がり、そう言ってきた。

「え、あっ、パンツって?…」
「今、スカートの中覗こうと…」
「いや、してない、してないからっ」
 俺は慌てて否定する。
「えー、怪しいなぁ、してたわよぉ」
「い、いや、マジ、してないからっ」
「えー、何かぁ、慌ててるようなぁ」
「い、いや、慌ててないから、誰だっていきなりそんな事言われたらこうなるってぇ…」

 痴漢の冤罪は、こうして生まれるのか…
 と、否定しながら、心の端でそう思っていた。

「あはっ、ウソぉ、ウソよぉ…
 ちょっとおじさんをからかったのぉ…」
 そう舌を出し、笑いながら言ってくる。
 
 おやっ、可愛いいじゃないか…
 
「おいおい、そんなおじさんをからかうなんて…酷く悪い冗談だなぁ…」
 だが俺は、そんなJKの可愛いさの魅力に一気に魅き込まれてしまう…

 そもそも、俺は元々はJK、女子高生なんて全く興味も趣味も無い…
 基本的には少し年上の色気、艶気のあるしっとりとした大人の雰囲気のある女性が…
 若い時分から、いや、思春期を迎えてからは好み、タイプであったのだ。

 だが、そんな俺なのに…
 なぜか、この目の前のJKに…
 その笑顔や仕草の可愛いさに…
 心が魅かれてしまっていたのである。


「うん、ごめん…
 なんとなく、ううん、おじさんがタイプだから、わざとね、からかってみたの…」
 そのさり気なく呟いてきたその言葉に、俺は思わずドキッとしてしまう。


 おじさんがタイプだから…


「お、おいおい…」

 思いっきり心が揺れてしまう…

「よ、よしてくれよ、からかうなんてさ…」
「ねぇ、おじさん、今日は平日なのに…
 もしかして仕事してないの?」
「いや、ちゃんとした社会人だよ」
「でもさぁ、昼過ぎから波乗りしてたわよねぇ」

「あぁ…」

 昼過ぎから…

 なぜ、知ってるんだ?…
 そう顔に出ていたのだろう、JKは話してくる。

「ほら、アソコ…」
 そう言いながら高台の上に、微かに見える女子高の校舎を指差す。

「アソコから見えたのよ…」
「アソコから…」
「うん、学校の窓からこの海が見えるの…」
「サボってたんか?」
 
 俺がそう言うと、ニコっと笑った…



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