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ex-girlfriend
第2章 僕の家族

「一度だけお会いしたことあったけど、
お姉様、物凄くお綺麗な方だったわね?」と、
彼女が言った。
確かに綺麗だと言われていたけど、
物凄く我儘だった。
僕が産まれるまで、一人っ子として、
両親は勿論のこと、
祖父母達も入れると六人で甘やかしまくっていたから、
そうなるのは当たり前だったんだろう。
だから、思い掛けず僕が産まれて、
愛情を一身に受けていた状況から、
大人たちの興味と期待が僕に移った時は、
そりゃあ、許せなかったに違いない。
身勝手な大人たちに対しても、
僕に対しても。
だから、物凄く可愛がる一方で、
あり得ないほど、酷いことを言われたり、されたりしたこともあった。
物凄く可愛がられてたと思うと突き放される。
僕なんて何も出来ない役立たずと言われる。
そして、そのうち、
無視されるようになってしまった。
僕が見えてないような態度を取ったんだ。
僕は子供ながら、
そんな姉貴のことを、
可哀想なヒトだと考えるようにして、
受け流すことで自分へのダメージを軽減させるようにしていた。
たまたま、勉強にしても、
ピアノにしても、
姉貴よりずっと出来が良かったから、
余計に姉貴は僕のことを遠ざけたかったのかもしれない。
なんか父親の言いなりになって、
家事とかお茶のお稽古とかしかしてないつまらない生活をしている母親みたいなタイプと、
我儘し放題で身勝手な姉貴みたいなタイプの二方向に女の人はなっていくんじゃないかって思ってたから、
どっちにしてもうんざりするなって思ってたんだよね。
そう言うと、
彼女はクスクス笑った。
お姉様、物凄くお綺麗な方だったわね?」と、
彼女が言った。
確かに綺麗だと言われていたけど、
物凄く我儘だった。
僕が産まれるまで、一人っ子として、
両親は勿論のこと、
祖父母達も入れると六人で甘やかしまくっていたから、
そうなるのは当たり前だったんだろう。
だから、思い掛けず僕が産まれて、
愛情を一身に受けていた状況から、
大人たちの興味と期待が僕に移った時は、
そりゃあ、許せなかったに違いない。
身勝手な大人たちに対しても、
僕に対しても。
だから、物凄く可愛がる一方で、
あり得ないほど、酷いことを言われたり、されたりしたこともあった。
物凄く可愛がられてたと思うと突き放される。
僕なんて何も出来ない役立たずと言われる。
そして、そのうち、
無視されるようになってしまった。
僕が見えてないような態度を取ったんだ。
僕は子供ながら、
そんな姉貴のことを、
可哀想なヒトだと考えるようにして、
受け流すことで自分へのダメージを軽減させるようにしていた。
たまたま、勉強にしても、
ピアノにしても、
姉貴よりずっと出来が良かったから、
余計に姉貴は僕のことを遠ざけたかったのかもしれない。
なんか父親の言いなりになって、
家事とかお茶のお稽古とかしかしてないつまらない生活をしている母親みたいなタイプと、
我儘し放題で身勝手な姉貴みたいなタイプの二方向に女の人はなっていくんじゃないかって思ってたから、
どっちにしてもうんざりするなって思ってたんだよね。
そう言うと、
彼女はクスクス笑った。

