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第6章 彼女との結婚〜家族になる

帰りの飛行機が決まった後、
僕は実家に電話をしてみた。

2、3回コール音がした後、
明るい母の声がした。



僕は少しぶっきらぼうな声で話を始めると、

「新年のご挨拶、しないの？」と、
彼女が小さい声で言うので、
取ってつけたような声で挨拶すると、
電話の向こうで母が笑ってしまった。


なんか、上手く言えないなと思いながら、
今、台湾に居ることと、
帰国したら結婚することを言った。



「えっ？
誰と？」

「佐藤美穂ちゃん」と言うと、

「ああ！
高校の同級生だった可愛い方ね？
良かったじゃない！」と笑う母に、

「コドモも出来たんだ」と付け加えると、

「まあ！
もっと良かったこと！
お父さんにも言って良い？
今日は隣に居るわよ？」と言うと、
唐突に父親の声に変わる。



「正月にも来ないのか？」と訊かれて、
なんて答えて良いか解らないで沈黙してしまうと、
後ろで母の声がする。


「そうか。
結婚するのか。
帰国したら、すぐにここにいらっしゃい」と言って、
電話は切れてしまった。



「なんて仰ってたの？」と言う彼女に、

「なんか、多分喜んでたよ。
電話、切れたけど、
帰国したら家においでだって」と笑うと、
少しホッとした顔をした。