この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ex-girlfriend
第6章 彼女との結婚〜家族になる

沈黙…。
そうだった。
僕は父親と話すのが苦手で、
母親が居ないともう話すこともなかった。
多分、父親も一緒だろう。
こんな時はよく、煙草を手にしていたけど、
リビングのテーブルには灰皿がなかった。
「あれ?
煙草は?」と訊くと、
「人間ドックで辞めろと言われたし、
ほら、なんだ?
妊娠してるって聴いたから。
煙も良くないだろう?」と言って、
苦笑いをしている。
「えっ?」
「可愛いお嬢さんだな?
私は会ったことなかったけど、
お母さんは高校の時に会ってるって威張っていたぞ。
あんなに可愛いコが居るのに、
なんで、お前、最初から彼女と結婚しなかったんだ?」と言われて、
思わず黙ってしまった。
彼女と母親が笑いながらあれこれ運んできた。
「ねえ?
スーツケースからお茶を出してくれる?
ご実家用って書いてまとめてある紙袋のものが入ってるから。
それと、パンも出してね?」と楽しそうに笑うと、
「お父様、台湾のお茶、大丈夫ですか?」
と言われて、
父親はすっかり鼻の下を伸ばすように、
「台湾も駐在してたから、
むしろ好きですよ」と言っていた。
お父様っていうか、
お義父様って言ってるんだろうなと思って、
こっちまでくすぐったい気持ちになってしまった。
そうだった。
僕は父親と話すのが苦手で、
母親が居ないともう話すこともなかった。
多分、父親も一緒だろう。
こんな時はよく、煙草を手にしていたけど、
リビングのテーブルには灰皿がなかった。
「あれ?
煙草は?」と訊くと、
「人間ドックで辞めろと言われたし、
ほら、なんだ?
妊娠してるって聴いたから。
煙も良くないだろう?」と言って、
苦笑いをしている。
「えっ?」
「可愛いお嬢さんだな?
私は会ったことなかったけど、
お母さんは高校の時に会ってるって威張っていたぞ。
あんなに可愛いコが居るのに、
なんで、お前、最初から彼女と結婚しなかったんだ?」と言われて、
思わず黙ってしまった。
彼女と母親が笑いながらあれこれ運んできた。
「ねえ?
スーツケースからお茶を出してくれる?
ご実家用って書いてまとめてある紙袋のものが入ってるから。
それと、パンも出してね?」と楽しそうに笑うと、
「お父様、台湾のお茶、大丈夫ですか?」
と言われて、
父親はすっかり鼻の下を伸ばすように、
「台湾も駐在してたから、
むしろ好きですよ」と言っていた。
お父様っていうか、
お義父様って言ってるんだろうなと思って、
こっちまでくすぐったい気持ちになってしまった。

