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第6章 彼女との結婚〜家族になる

「ストップ。
そんなに一度にあれこれ訊かないでくれないかな？」


「そうだな。
美穂さんの身体に障るといけないし。
良いじゃないか」と父親まで言うから、

「そうよね？
ごめんなさいね」と母親が付け足すように言う。


「あの。
結婚してましたが、
夫と子供は交通事故で亡くなりました」と、
彼女が口にすると、
両親はそれ以上、話をさせるのは…という感じで、
彼女の話を遮るように言った。


「今夜はもう、遅いから泊まっていけば？
客間を整えてあるから、
二人でお休みなさい？
あ！
このパン、美味しそうね？
明日の朝食にみんなでいただきましょうね。
ほら。
客間に美穂さん、案内してあげて？」


彼女が茶器なんかを片付けようとすると、

「大丈夫よ？
飛行機の移動は思ったより疲れるものだから、
早めに休んで？
朝もゆっくり起きると良いから。
おやすみなさい」
と母親は僕を促すようにする。


「お気遣いいただいて申し訳ありません。
それではお言葉に甘えて…。
おやすみなさいませ」と僕の両親に頭を下げて、
僕を見上げた。


僕も「おやすみ」と言って、
彼女の手を引いて廊下に出ると、
二階の奥の客間にゆっくり移動した。