この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
嘘つきは恋の始まり
第2章 そ
「好きになるのに理由なんかいらないでしょ?」
「・・・・・」
「チコちゃんさ。間違ってたらごめんね。・・・不倫してる?」
「え?」
「だから、彼と思うように会えないんでしょう?」
「・・・・・」
「不倫なのにキスマーク付けてほかの男を牽制するような男だよ?」
「違う・・・」
桐生さんは「そんな男」じゃない・・・
「でも事実でしょ?」
「俺なら。隠さなくていい恋をさせてあげられるよ?」
私のことをジッと見つめる目が怖くて
自分がとても汚いことをしている大人のようで
ううん。桐生さんにしがみついている子供のようで
野口さんの目を直視できなかった。
「寂しいんだったら、俺んちよってく?」
スマートに誘われたその言葉に
「大丈夫。ありがとう」といい
別れたのは終電ぎりぎりの時間。
寂しさMAXだった金曜日の夜をなんとか過ごしたら
週末は割と平気だった。
買い物して、掃除して。
月曜日にやっと会えると思って
─────油断してた。
営業部の佐藤さん、名刺ができたから取りに来てくれるように誰か内線して。
という声に
「あ。私、営業に用事があるので持っていきます」
と、用事もないのに営業部に行く口実が欲しくて
名刺を持ってエレベーターに乗った。
久しぶりに見れるかもしれない桐生さんにウキウキしていて
営業部の階でエレベーターのドアが開いたのに気づくのが一瞬遅れた。
桐生さん、席にいるといいな。
「チコちゃん?」
目の前の野口さんが私を呼んだ─────
「・・・・・」
「チコちゃんさ。間違ってたらごめんね。・・・不倫してる?」
「え?」
「だから、彼と思うように会えないんでしょう?」
「・・・・・」
「不倫なのにキスマーク付けてほかの男を牽制するような男だよ?」
「違う・・・」
桐生さんは「そんな男」じゃない・・・
「でも事実でしょ?」
「俺なら。隠さなくていい恋をさせてあげられるよ?」
私のことをジッと見つめる目が怖くて
自分がとても汚いことをしている大人のようで
ううん。桐生さんにしがみついている子供のようで
野口さんの目を直視できなかった。
「寂しいんだったら、俺んちよってく?」
スマートに誘われたその言葉に
「大丈夫。ありがとう」といい
別れたのは終電ぎりぎりの時間。
寂しさMAXだった金曜日の夜をなんとか過ごしたら
週末は割と平気だった。
買い物して、掃除して。
月曜日にやっと会えると思って
─────油断してた。
営業部の佐藤さん、名刺ができたから取りに来てくれるように誰か内線して。
という声に
「あ。私、営業に用事があるので持っていきます」
と、用事もないのに営業部に行く口実が欲しくて
名刺を持ってエレベーターに乗った。
久しぶりに見れるかもしれない桐生さんにウキウキしていて
営業部の階でエレベーターのドアが開いたのに気づくのが一瞬遅れた。
桐生さん、席にいるといいな。
「チコちゃん?」
目の前の野口さんが私を呼んだ─────