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嘘つきは恋の始まり
第3章 つ
「トモコちゃん。探したよ」
「・・・・思ったより早かったですね」
「人事名簿にアクセスしちゃった」

え?

経営管理ってそんなことできるの?

「でも、流石にトモコは難しかったな~」
「・・・・」
「俺さ?今までどおり、チコちゃんって呼んでいい?」

ちょっと・・・
エントランスで大声で話さないで欲しい。
ただでさえ、経営管理の野口さんは有名人なんだから。

ほら・・・受付のカワイコちゃんが睨んでるよぅっ。

「分かりましたから・・・声のトーンを下げてください」

キョロキョロと周りを見回して
なんでもないですよ~というふうに
作り笑いをしてみせる。

そんな私をいきなり抱きしめて耳元で囁いた。

「逃がさないっていったろ?」

「ちょっと!」

ガバっと野口さんを引き離すと
息を吹きかけるように言われた方の耳を抑える。
やめてよ!勘違いされる!

「声のトーン落とせって言ったのはチコちゃんでしょ。
落としすぎちゃった?」

・・・このひとっっ!!!


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