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雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第10章 3月11日の話
折角の説明を聞き逃しそうになるし
聞く方に集中すると
見る方が追いつかなくなって来て
『そんな時は、こちらの鳥さんですね。
ハリスホーク、鷹に仲間の中では
中型の鷹になりますが。
こちらの、オオタカはその名前の通りに
大型で…と言いたいですが、どうですか~?』
そう言って自分の腕の上に乗っている
白い身体をした鷹を客席に見せて来て
『小さい、大きくなーい』
と客席から子供の声がして
『そうなんです、こちらのオオタカ
身体はカラスと同じくらいの大きさをした
鷹さんです。こちらのオオタカは
元々はあをたか、青い鷹と言う意味でした』
「ああっ、これ、ヤバいヤツじゃん…」
隣でバードショーを見ていた
透真が腕組みをしながらそう言うと
「どうしたの?透真…」
「俺はこのショーをさ
見終わる頃にはさ、
猛禽類の無駄な知識を、
溜めこんでしまいそうなんだけど」
「あ、でもここの口コミ見たけど
バードショーが特にオススメらしいから」
『ハリスホークと、オオタカの
二種類の鷹さんを、見て頂きましたが。
この二種類の鳥さん、飛ぶ時に羽の音、
聞こえましたよね?バサバサ~って
その飛ぶ時の音が全くしない鳥さんが
居るのはご存じですか?森の忍者と
言う、異名のあの鳥さんです』
いや もう多分
この司会してるスタッフさんの
喋りの効果なんじゃないかなって
そう思って
フッと影が頭上を横切って行って
え? 今ッ
音 全くしなかった
『今のじゃ、分からなかったですか?
じゃあ、何度か皆さんの
客席の上を飛んでもらいますね~』
更に頭上を往復する大きな鳥の影
大きな鳥が…音も無く静かに
頭上のギリギリを飛行して行く
「フクロウじゃん」
『はい、そこのお兄さん、大正解。
そうです、こちらの鳥さんは
その名も、シロフクロウさんでした』
それから フクロウとミミズクの
違いを説明されたり
大型のシロフクロウと小型のコノハズク
を並べてその大きさの違いを見せてくれたりと
15分程のショーは中々に
充実した内容だった
『この後、ステージ前にて
鳥さん達とふれあいタイム
ありますよ~、手に乗せてのお写真
有料になります。ナデナデもできますよ~』