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雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第10章 3月11日の話
ののかが透真の耳に
自分の口を寄せて来て
周囲の人に聞こえない様に
自分の手でそれを隠すと

「透真…、あのね…?
透真、大好きだよって、
ずっと言いたかったの、今日」

一瞬 そのののかの言葉を聞いて
透真が目を丸くさせるが
すぐにいつもの顔に戻った

こちらを見て来て
ふっと笑顔をその顔に浮かべた

「俺も、ののかが大好きだけど?」

隠したりもせずに
ストレートに言われてしまって

こっちが面食らってしまう

「えっ、あ、透真?」

「ののか、好き。
ののか、ずっと…俺とさ、
これから先もさ、
一緒に居て欲しい…って思ってる」

今度は透真がののかの耳元で
そう囁きかけて来て

「やっ、…もう、分かったからっ
言わなくて、いいからぁ…ちょ、
透真…?聞こえてるの?」

「聞きたくないの?
ののかが聞きたくなくても、
俺が、言いたいだけだしね?
ののか、好きだ。大好きでも
全然、足りないぐらいだけどね?」

「言わないで…って、言ってるのにぃ」

「後で?」

「そう、2人だけの時に…してよ」





「言うだけじゃ、済まないけど?」



「…………」



「ののか?」

「…知ってるよ!そんなのッ
それに…、言いたいのは透真だけじゃ…」

「いいの?」

「いいって?」

「今夜は…ののか、
寝れないんじゃないかと思って。
あれ?違うか。ののかを、
寝かさせてやれないの間違いか」

「寝かせてくれないの間違いでしょ?」

ハハハハハッと透真が
大きな声で笑ってて

「良く分かってるじゃん。
流石はののかはさ、俺の
奥さんだけの事はあるって。
俺の事が良く分かってるって話
じゃあさ、…そろそろホテル行く?」

その足湯のあるホテルから
今夜の宿泊先である某有名ホテルへは
車で10分ほどの距離にあるんだけど

またしても 道中の車内で
セクハラ?痴漢?紛いの事をされてしまって

「…んっ、…ぁ、ん…んッ」

さっきと同じ様に太ももの間に
手を差し込まれて際どい部分を
ナデナデと撫でられる

「あんっ、透真ぁ
…せめて…今じゃなくってッ」

「部屋に着いてから…ならいいの?」

こくんと透真の問いかけに
ののかが頷いたので
その際どい部分を撫でていた手を離した


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