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雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第1章 今年の2月13日…と2月9日の話


私の名前は… 小野寺 ののか(25)

どこにでもいる 普通のOLだ

大学時代から同級生の彼氏さんとの

交際を始めて 4年ほどになる


彼氏…である…雨宮 透真から

結婚はいつするの?と…かれこれ

半年前ぐらいから言われて居て…

まだ早いよ~と言って居たのだが…

彼のおじいちゃんが孫が見たいと言ったらしく

おじいちゃん子の彼から

それ以来…結婚しよう攻撃を受けていて

そして…今日…2023年の2月13日

その彼のプロポーズを受け入れて

まだ…結婚式の予定も 新婚旅行の予定も

何一つ 決まってないのに…大安だから

とりあえず 生中みたいなノリで

とりあえず…市役所まで…婚姻届けを

提出しに来た……所だったりする

市役所の入口の総合案内の窓口で
婚姻届けを提出したいと要件を伝えると

対応してくれる窓口の番号を
窓口の人に案内して貰って

カウンターの向こうから
手を振っている方へ向かった

歩きながら隣にいる透真と話をする

「ねぇ、透真…、
今はさ…こんなご時世だから…
結婚式を盛大にしたいとは…
私も流石に言わないけど…」

「ああ、お互いの両親と祖父母ぐらい招いて
ちょっとしたスマ婚でもするって話?
まぁまぁ、ちょっとだけ待ってよ、ののか。
もうちょっとしたらさ、コロナも
5類に引き下げるって話でてるしさ。
新婚旅行も結婚式もさ、それからでもいいじゃん」

今 人を集めて 結婚式しましょうとか
飛行機乗って新婚旅行行きますとかって
職場の上司とか同僚もいい顔しなさそうだし

5類に引き下げられる5月を待つのも
それはそれでアリかも知れないけど

「だったら、入籍だって…その時でも…ッ」

ぶつぶつとののかが
独り言にしては大きな声で
そんな風に不満を述べていて

「あのなぁ、ののか。
結婚式はちゃんとするし、
新婚旅行も、ちゃんと行くから。
それに…指輪は…この後…買いに行くじゃん」

そう…結婚指輪がないのだ

彼のプロポーズだって

いつもは『結婚しない?』って程度だったけど

ちゃんとした正式なのを

去年のクリスマスにして貰っては居たけど

そこから…結婚式の準備をして

結婚指輪も用意して…とかって思ってたのに

年始の仕事が お互いに忙しくて

その辺りの話もロクにしないままで

そのまま今日を迎えていた

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