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雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第1章 今年の2月13日…と2月9日の話

小一時間程で全てしてくれたので
その足でそのまま警察署へ向かった

各種手続きに必要な住民票の数とか
マイナンバーカードもその場で
変更の手続きご一緒にって
役所の職員さんの方から申し出があって

向こうもそれを仕事にしてるから
手慣れた物で その他にって
一覧にしたチェックリストまでくれた

平日の警察署はガラガラで
すぐに対応して貰えて
名義変更の手続きも
ICチップの書き換えと裏書も
その場で対応して貰えるから
後日に来る必要もないのは助かった

運転免許証は一番にして置かないと
身分証明書も兼ねてるもんね

「ののか、終わった?」

「ごめんね、透真、お待たせ」

外で待っていた透真が
ののかにそう声を掛けて来る

「じゃあ、指輪…買いに行くか」

「うん、そうだね…」

透真がこっちに手を差し出して来て
ののかがその手を握ると
そのまま…歩いて車まで移動して

市内にある

とあるジュエリーショップへと向かった

お店の店員さんに
エンゲージリングが欲しいと言うと
小さな四角のパンフレットと
店頭に置いている物を
ショーケースから出して見せてくれる

同じデザインの指輪でも
その素材によってお値段が違うみたいで

リングの裏側に日付けと
メッセージを刻印する事が出来るらしい

『こんな感じにシークレットストーンを
内側にはめ込んで加工する事も出来ますよ~
普段、指輪をしてる時には見えませんし…』

そのカタログの中と
店頭にあるのを見せて貰って

割と好みが把握できてるからなのか
指輪その物はあっさりと
お互いの意見が一致して決まったので

結婚指輪の裏に 
お互いの名前の頭文字と
お互いの誕生石のシークレットストーン

入籍した日付と それから

短かい メッセージなら
入りますよと 向こうの人に言われて

それぞれに 宛てたメッセージを

結婚指輪に刻印して貰う事にしたんだけど


9文字と言う 文字数制限があって


そのお互いに当てたメッセージは
リングが完成するまでは
教えないと言うルールにして
お店の中であっちとこっちに離れた場所で

絶対に見られない様にして
刻印の指定用紙に
私から透真へのメッセージを書きこんだ


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