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雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第4章 2月13日の午後の話
「んっ、…ふぁ、ん…んぅ」
名残を惜しみながら舌を開放されて
零れた口の端を舐め取られる
「ねぇ、これ…っちゃんと
飲めないんじゃ…んんッ」
「ビールの味がする」
「ベタベタしない?」
「嫌?後でまた風呂に入ればいいじゃん」
そのまま身体を倒されて
下から透真を見上げて
その後透真の背後に空が見えて
「って、ここ…外っ…」
「ああ、外だな…」
そんな事はお構いなしとでも
言いたげに透真がののかの
耳たぶを軽く食んで来て
グッと腰骨を掴んで来た手が
そのままお尻へと降りて
太ももを撫でて行って
もう一度太ももを撫で上げて来る
「…んっ、…透真…ここじゃ」
「周りには大きな建物もないし、
これだけ高い壁に囲まれてたら
周囲から見られる心配は無いんじゃない?」
スルッとお尻と太ももの境目を
なぞる様にして手を差し込んで来て
そのまま左足を太ももの裏に
回して支えられて持ち上げられてしまった
耳たぶを食んでいた口が
そのまま首筋に降りて来て
ねろーっと舐め上げられる様に
彼が舌を這わせて来て
ゾクゾクとした感覚が首筋に走る
「んぁ、はぁ…んッ…ダメ…ここだってッ」
「いや、ののか…やっぱ無理だわ。
時期が悪過ぎるし、風邪引きそう。
すっかり身体も冷えちゃってるし
もう一回、湯船に浸かって
温まり直して部屋に戻った方が賢明」
今は2月なのだ
節分が過ぎて暦の上で春とは言えど
まだまだ 雪が降ったりする位なのだから
外で事に興じる様な時期ではない
そんな事をしている間に
露天風呂のお湯も
外気が低いのだから
当然に冷めて来て居て
熱めに温度調整のダイアルをセットして
差し湯をしながら
2人で露天風呂に浸かって温まり直した
2人で浸かると
流石にお湯が溢れて
その上更にお湯を足しているのだから
縁からどんどんとお湯が溢れて行く
「源泉かけ流し…とまでは行かないけど。
確かに家じゃ出来ない様な
贅沢なお風呂の入り方だね、透真」
そう漏らす様にしみじみと
ののかが溢れて行くお湯を
惜しむようにしてそう言って来て
「その辺りの値段も含めての、
この値段なんじゃないの?
ラブホテルに限らず、宿泊先のホテルなら
寝る時にトイレの電気付けたままとか、
エアコン掛けたままで風呂とか飯行ったり
皆してるんじゃない?」