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雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第1章 今年の2月13日…と2月9日の話

毎年…彼のリアクションが…
今一つな感じで…
透真はののかが俺の為に
あれこれ考えてくれてるだけでいいって

一応 喜んではくれてるらしいんだけど

私としては…こう…

今年のバレンタインこそは

彼が納得する様な 何かをしたいし

チョコが苦手でもチョコ貰ったって

思える様にしたいなぁって…

そんな風に考えてて

このバレンタインは
ちょっと早めの段階から
あれこれと準備をしたんだけども

クリスマスの時に真っ赤な
上下セットの下着にしたら
彼は喜んでくれたから

そう言う感じのプレゼントの方が

透真は…喜ぶんだろうなぁって

ちらっとののかがオフィスの

柱に据え付けられている時計に目を向けた


だから 今日は何があっても

定時に上がりたいっ

いや 帰る 帰るし

定時 キッカリに


「佐藤さん、私…今日
どうしても定時に上がりたいんですけど」

「ああ、雨宮君よりも先に帰りたい感じ?
結婚するって聞いたけど、何時位?
今は、コロナだし…新婚旅行も出来ないよね」

「とりあえず、旅行も式も未定で
入籍だけは、今月にするんですが。
もうすぐ、バレンタインですよね?
ちょっと、色々と準備とかしたくて…」

そう隣のデスクの佐藤に
ののかが声を潜めながら言うと

「バレンタインねぇ、うちなんか
ちょっとしたチョコあげる位だよ。
いいなぁ、新婚さんは~。
今の所、定時でもいいと思うよ?
今日は、残業なさそうだし。
何かありそうなら、やっといたげる」

「すいません、佐藤さん
ありがとうございます」

「あ、もしかして
手作りのチョコ、作るとか?」

「いえ、その今日、注文してる
時間指定の荷物が来るので。
それを本人に知られない様にして
包み直したりしたいなぁって。
その為のラッピングの物とかも
買って帰ったりしたくて…」

「ああ、わかるわかる。
雨宮君と、一緒に住んでるし
休みも一緒だから。
内緒で何かってしにくいもんねぇ~」

その日はきっちり
定時で仕事を上がらせて貰って

今日届く物とその前に
予め買って用意して置いた物を

それぞれに別にラッピングしたくて
その為のバレンタイン仕様の
ラッピング用の包装紙とかを
ロフトで購入して

受け取りの時間にも余裕を持って

一緒に住んでるアパートに
戻って来たと思ってたら……

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