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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
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「ストッキングが好きなの?…」
 そう訊いてくる舞香ちゃんの目が、キラリと光った気がした。

「あ、ぁ、う、うん…」
 僕は、ドキドキとしてしまい、そして動揺してしまい…
 そんな曖昧な言葉しか出ない。

「ほら、わたし小学生から陸上やってたからさぁ、脚がね筋肉質だからぁ…
 ストッキングを穿くとね、この筋肉質が少し柔らか目に見えるから、お出かけはいつもストッキングを穿くのね」

「あ、う、そ、そうなんだ」

「でね、ストッキングを穿いてショッピングモールとかお出かけするとさぁ、なんかさぁ…

 けっこうね、このストッキング脚への視線を感じるのね…」

「……………」
 まるで自分の事を云われているみたくて、ドキドキしてしまい、言葉が出ない。

「だからさぁ、男の人ってさぁ、ストッキングが好きなんかなぁって?
 駿くんも好きなんだぁ?…」

 舞香ちゃんは明るく訊いてきた…
 いや、明るく訊いてくれた。

「あ、う、うん、す、好きかも…」
 なぜか恥ずかしくて…
 好き、とはハッキリ言えない。

「そうかぁ、そうなんだぁ…
 でもさぁ、本当に、ストッキングを穿くと脚がキレイに見えるもんねぇ…」
 舞香ちゃんはニコニコしながら、右脚を、ストッキングの光沢でキラキラした右脚を僕に向けて伸ばしてきた。

 あ…

 そして僕はその舞香ちゃんのキレイな、艶やかなストッキングの光沢のキラキラした脚を見つめてしまう。

 葵さんがいなくなってからの…
 久しぶりのストッキング脚であった。

 僕はいつも、女の子になるとストッキングを必ず穿いた…
 しかも、ノーパンの直穿きで。

 それはいち早く葵さんにストッキング好き、いや、ストッキングフェチを見抜かれてしまい、彼女の命ずるままに…
 そして、その快感に自ら好んで穿いていたんだ。

 だから、余計に、この舞香ちゃんのストッキング脚から目が離せなかったんだ…
 そして舞香ちゃんのストッキング脚は魅惑的でキレイであったから。

「ね、ねぇ…」

「え?…」

 なんとなく、舞香ちゃんの目が…

「ねぇ、触りたい?…」

 舞香ちゃんの目が…

 濡れてきた様に見える…

「え?…」

「さ、触っても…いいよ…」

 そんな舞香ちゃんの言葉は…

 その艶やかな目は…

 



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