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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
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 違和感、それは…

「はぁぁ、し、しゅん…」

「ぁぁ、うぅ…」

 確かにキスも、指先の愛撫の感触もぎこちないのだが…

 1、2回じゃ無い?…

『でも…キスだけよ…』

『イヤイヤだったの…』

『ヤらせろって…』

『手でシろって、無理矢理に…』

 それは嘘では無く…

 だけど、決して1、2回では無く…

 何度かは?…

 そんな違和感を感じていたんだ。

 だけど、それは僕には不快なことではなく…
 もちろん、僕は、舞香ちゃんに本当のこと等とても言えないくらいな経験を沢山、いや、この10ヶ月に経験してきていたから。

 違和感は不快では無く…

 それに舞香ちゃんからの嘘の匂いもしないし…

 だけど…

 どうでもいいような、少しの違和感を感じてしまっていたんだ。

「はぁ、し、しゅん、こ、これでいいの?…
 感じてるの?…」
 キスをしながら、そう囁いてくる。

「は、ふ、ぅ、うん…」

「だって、先輩のとは全然違うからぁ…」

「う、うぅ…」
 ぎこち無さがまた快感だったんだ。

 それに本当に気持ちが良かった…

 だけど…

 だけど…

 僕はやっぱり約10ヶ月とはいえ、ほぼ毎日のように葵さんと愛し合ってきていたし…

 なにより女装という…

 つまりはおちんちんのある女の子としてのアブノーマル的な性癖嗜好がほぼ確立されてしまっていたから…

 いくら堪まっていたとしても…

 このぎこち無さに慣れて、馴れてしまったみたいで…

 気持ちはいいのだが…

 一触即発なくらいの昂ぶりが…

 消えてしまっていたんだ…

 いや、刺激がもう一つ足りなかったんだ…

「ね、ねぇ…」

「あぁ、う、うん…」

「ねぇ、あのさ…」

 僕は、一生懸命にシゴいてくれている舞香ちゃんに…

「ねぇ…………てよ…」

「え?」

「ねぇ、な、舐めてよ…」

 そうお願いした…





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