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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
 180

 いや、十分に感じてはいたんだ…

 だけど…

 だけど、葵さんとさんざんアブノーマル的に愛し合ってきてしまった僕には…

 この舞香ちゃんのぎこちない手の愛撫では…

 物足りなくなってしまっていたんだ。

 刺激がもう一押し欲しくなってきていたんだ…

 だから…

 それは無意識に近かった…

「ね、ねぇ、な、舐めてよ…」
 僕は、そう、お願いしてしまったんだ。

「えっ」

 すると舞香ちゃんは手の動きを止めて、驚いた声を漏らし…

「ねぇ、な、舐めて…」

「え…あ…」
 僕の顔を見てくる。

「あ、い、いや…」

 だけど僕は、その舞香ちゃんの顔を見た瞬間に…
 ヤバい、さすがにそれは…と、焦る思いが湧いてきた。

 だけど…

「え、あ、あぁ、う、うん…」
 舞香ちゃんは頷いた。

「、い、いや…」

「う、うん、いいよ、な、舐めてあげる…」
 そう言ってきたんだ。

 そして、そんな舞香ちゃんの顔は…

 いや、彼女の目は…

 すっかり興奮で濡れていた。

「え、あ…」

 だけど…

 その彼女の目を見た瞬間に…
 
 あ…

 舐めたこともあるんだ…

 やっぱり…

 先輩のを舐めたことがあったんだ…
 
 そう思った、いや、感じた、いいや…

 核心したんだ。

 やはり、舞香ちゃんにも秘密が沢山あるんだ…と。

「し、しゅんの、あ、駿くんのキレイだから…」

 そして舞香ちゃんは、そう囁きながら…

 ゆっくりと態勢をズラし… 

 顔を僕の股間へと近寄らせていく。

「あっ、あんっ、やん…」

 その態勢は、舞香ちゃんの脚が…

 いや、ストッキングを穿いた、キレイで魅惑的な脚が…

 僕の顔の方にズレ、近寄るという態勢となったから…

 僕は無意識に、いや、反射的に…

 舞香ちゃんの魅惑的なストッキング脚に触れたんだ。

「あ、やん、しゅん…」

 そんな突然の僕の手の感触に舞香ちゃんは、ビクンっと震え…
 そんな声を漏らしてきた。





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