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  バガテル第25番イ短調  (エリーゼのために)
第1章 エリーゼのために…
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「あっ、つうっ…」

 僕が舞香ちゃんのスカートの中に手を入れ、ストッキング越しの股間に触れたのに驚いのか、彼女の歯が、カリっと亀頭に当たってきた。

「あっ、ご、ごめん…」

 だけど…

 その歯の当たった微かな痛みが僕には快感の刺激になり、ズキンと疼いてきたんだ。

「うん、大丈夫、気持ちいいよ…」

 それよりも、スカートの奥の僕の指先の感触に…
 戸惑ってしまっていた。

 だって…

 指先に当たっているストッキング越しの舞香ちゃんの股間が…

 つまりは下着、パンティの股間が…

 しっとりと湿っているのを感じたから。

「あん、やん、そ、そこは…」

 ストッキング越しの股間がしっとりと湿っていて、そしてなんともいえない柔らかさを感じてきていたんだ…

 それは、僕にとって不思議な感触であった。

 こ、これが…女の子の感触なのか?

 約10ヶ月、葵さんと沢山愛し合ってきていたから…
 こうした愛撫には、内心、自信満々であった。

 だが、僕は気付いたんだ…

 それは…

 僕と葵さんは女の子のフリをしていた、おちんちんのある女の子であり…

 それは男、つまりは男同士で愛し合って、愛撫し合っていた…
 と、いう事実を。

 だからこの股間は昂ぶれば昂ぶるほどに…

 固く、硬く、堅くなり…

 こんな感じにしっとりと湿ったりはしない…と。

 いや、濡れてきたりはしないと…

 これが…

 AVとか、エロ本とかで表現される…

 濡れる、濡れている…と、いう事なのか?

 そして僕はもう一つ気付いたんだ…

 それは…

 僕は…

 本当の…

 本物の女の子のカラダを、いや、女の子という存在感自体を…

 何も知らないんだ…という事実、現実を…

 僕が知っているのは…

 美しくて妖艶なおちんちんのある女の子の葵さん…

 つまりは男…

 そして…

 女の子の事は何も知らない。




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