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担当とハプバーで
第2章 危険な好奇心
「水曜日はなんのコスプレするの」
おかわりは梅酒サワーにして、弾ける炭酸を楽しみながら尋ねてみた。
「んー。秘密なんだけど、とりあえず今流行ってるアニメのキャラからって感じ」
誰だろう。
格好いい系なのか、ギャグなのか、女装なのか。
どれでも見てみたい。
「あ、でね。コスプレは全員二秒ずつかな、紹介動画として全員参加で撮る予定なんだけど、編集頑張ってもらって水曜深夜には上がるから」
「それ相当編集大変じゃない?」
「当日のうちに見たいだろ」
見たい。
いつもオールバックのこの髪型以外が見れる。
下ろしているのは動画で見た。
過去イベントで着物も見た。
でも、コスプレは未知数。
今日でさえ赤いシャツにドキドキしてるのに。
目の前で見る迫力はすごいだろうな。
でも流石に二日後にくるわけにはいかない。
それに、イベント日ってことは、客単価も跳ね上がるはず。
そんな時に会計五万も行かない自分が来ようなんて、恐れ多くて挑戦できない。
誕生日とか、凄まじいんだろうなあ。
「ちょっと。話しながら別のこと考えてんだろ」
「うん。ハヤテの誕生日って凄いんだろうなあって」
「ああね、そりゃもう煌びやかなパーティよ。どこのテーマパークにも負けない夢の時間だから、いつか味あわせてあげたいけど……半年以上も先」
ホッとしてしまった。
それを見抜いたハヤテが、意地悪そうに片眉上げる。
「凛音はぜーんぶ顔に出るなあ」
「違う。いつかは、行きたいなっては思うけど」
「しーっ。ネガティブ注意報だな。ほら、手構えて。三十秒以内に決着つくこれやろ」
両手の人差し指を出して、互いに構える。
なんだっけ。
名前わかんないゲーム。
相手を攻撃したら指の数が増えて五になると負けるやつ。
ペシっと先攻で指を指で弾かれる。
二になった指でハヤテのを弾き返すと、三になった指で片手が負ける。
「あ、これ凛音、最弱の負け方じゃん」
「酔ってる時にやるもんじゃないって」
十秒で負けてしまい、笑えてくる。
「ハヤテ、今のゲームの名前わかる?」
「わからん。わかったら言うし」
「これの名前わかるかって姫に聞かれた時の反応、とかどう」
「ふ、はは、ちょっとありだな」
「そういえば失敗談はいつ出るの?」
耳栓をする動作を睨む。
すぐに笑って手を解いた。
「週末には上がるよ」