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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第9章 瑠美子 39歳
「肩こりの要因は肩だけじゃないんです
僧帽筋などは腰のところまであるので
その辺りも揉んでいきたいと思います
なので、デニムはちょっと…」
専門的な事はわかりませんでしたが
そんなものかしらと
案内された更衣室で私は薄っぺらいガウンに着替えた。
着替えて更衣室のカーテンを開けると
とてもいい匂いがしていた。
「リラックスのためにアロマのお香を焚いています」
彼が言うように、その香りで緊張感が解れてきました。
「さあ、ベッドにうつ伏せで寝てください」
タオルがかけられ背中を優しく擦られる。
「はーい じゃぁ始めますね」
凝り固まった首や肩を優しくほぐされていくうちに少しずつ気持ちよくなってきました。
「あなた…上手だわ…
とても気持ちよくなっちゃう」
「そうですか?誉めていただいてありがとうございます」
事務的な返答だったけれど、
私は心から上手だと思っていた。
彼の手に身をゆだねていると
心身ともにリラックスし、気づいたら眠ってしまっていた。
…?…ん…えっ?
内腿をツツツーと、指でなぞられたような気がして目が覚めた。
『…気のせいね』
するとまたスーっと撫でられて
ピクッと体が反応する。
『気のせいなんかじゃないわ!』
私の体がビクッとなったことで
彼の手がとまる。
「…お客様、起きちゃいました?」
そう言いながらも彼の指が内ももを行ったり来たり…
『どうしよう!どうしたらいいの?』
パニックになり私は何も言えなかった。