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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第11章 明美 40歳
「そんなに酔っていたら無事に帰れませんよ
どこかで休憩していきましょう」
大人の男と女ですから
休憩というものがどこを指しているのかはピンと来ました。
「まあ、こんな私を口説くと言うの?」
容姿が変わったのは彼だけではありません。
私だってかろうじてくびれがあるものの
すっかりオバサン体型になっていたんですから。
「口説くとか、そんなこと今は二の次です
それに酩酊している女を抱くほど落ちぶれちゃいませんから」
容姿はオジサンになっても
相変わらず言葉は爽やかで好青年のままでした。
半ば引きずられるように
私はラブホの入り口をくぐりました。
大野くんったら、やけに怪しげなSMルームへ私を連れ込んだ。
「まあ!大野くんったら、こんな趣味があったのね」
「勘違いしないでよ
この部屋しか空いていなかったんだから」
「うふふ、それでもいいわ~
ねえ、私を拘束してちょうらいよ」
酔いが絶好調で回ってきて、
言葉も呂律が回らなくなってきました。
縛って欲しいと
ドラマのように両手首をくっつけて
大野くんの前に差し出したまま私はベッドに倒れ混んで意識を失いました。