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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第12章 杏子 23歳
堅くそそり立ったモノが
私の膣(なか)を行ったり来たりする。
父親に近い年齢なのだから
あまり無理をしてほしくはないけれど
夫は私をびしょびしょにしたくて
精力剤の力を借りて毎晩のように私を抱いた。
こんなに愛してもらっているのに
どうして濡れないのだろうと私は思ったが、
夫も同じ思いなのかもしれなかった。
「私は不感症なのかしら、
ぜんぜん気持ちよく成らないの。
男だけが私の腹の上で汗びっしょりになって
腰を使っているのを見ると滑稽になっちゃうのよ」
夫に准教授室で初めて抱かれた時には、すでに処女ではなかった。
武司は私が真面目な人間だし、
男性経験が乏しいから濡れないだけだろうと
軽く考えていたようです。
「杏子くん。そりゃあ、相手の男が下手だから濡れないのさ。
上手な僕がセックスしてあげたら、
そりゃあもう失神するほど気持よくなるよ」
「そうかしら。私は女遊びが上手だという男と
二度ほど寝た事があるのよ。
でも三十分もピストン運動していたけど、
ちっとも良くなかったわ。
私はどんな男としても感じない体質だと思うわ」
「杏子くん、そんなことないって、
君の体は素晴らしい。これで濡れてくれたら言うことなしさ」
そんなことを呟きながら
夫は私の中で呆気なく射精した。
後始末をしながら
「どうだろう、一度ちゃんと医者に診てもらおうか」と
あくまでも自分には非がなくて私が異常だと信じてやまないようでした。