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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第13章 真奈美 46歳

荒い息をしながら私は余韻に浸っているのに、
指はまだ私の中にいる。

その指はまた静かに波打つ動きをし始め、
出てゆく気配がない。

逝ったの!ねえ、お願いもう逝っちゃったのよ!
ねえ、まだやめてくれないの…?

私は終わることない快楽の連続に
その悦びで、なぜか涙が流れてきた。

その指先は私の一番奥に潜り込んできて、
子宮の壺をコリコリと刺激してくる。
それはまるで溢れる蜜の中を泳ぐ暴れ竜のようでした。

やがて彼は、指の関節を曲げて、
あのスポットへの刺激が始めてきました。

すごい快楽の波がやってきて私は仰け反りました。

『ダメぇ!潮を噴いちゃう!!』

私はたまらずに股間の彼の手を掴みました。

「だめ?」

彼がようやく私の耳元で哀願するように囁きました。

「違うの…ここじゃ…いや」

潮を噴いてしまうとスカートも座席もびしょびしょになっちゃうんですもん。

「ここを出ようか?」

ここを出てホテルに連れ込まれるのは
火を見るより明らかでしたが
私は熱にうなされたように「はい」と返事をした。

まだ上映中でしたが
もう映画鑑賞どころではありません。
彼に手を引かれて私たちは映画館を後にしました。

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