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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第16章 美佐緒 32歳
「ああ、好きだよ、大好きさ」
そうだった…この人は昔からそうだった…
臭いキザなセリフも、まるで息をするように吐く人だったわ
「変わってないのね…昔も今も」
「そうかい?変わったよ
俺、包茎手術もしたし、今じゃズル剥けだぜ
見てみるかい?」
そんな事をお酒の力を借りて大声で言うものだから
こっちが赤面してしまいます。
「で…私を呼び出した理由は何よ?
まさか口説こうと思っている?」
「とんでもない!人妻を口説くほど暇じゃねえんだよ」
肩透かしを食らった気分でした。
てっきり夫と別れてヨリを戻そうとでも言うのかと思っていたので…
「お前さあ、専業主婦なんだろ?
暇なんだろ?いいバイトを紹介してやろうと思ってさ」
「バイト?」
今は夫の浮気を黙認するだけで生活費が手にはいるのだから、お金には困っていない。
それでも、確かに秀樹の言うように暇をもて余しているのは確かでした。
「どんなバイトよ」
おっ!食いついてきたな!
秀樹はニヤリと笑うと「お前に持ってこいのバイトさ」と私の耳元に口を寄せて
まるで耳を愛撫するかのように話し始めました。