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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第19章 樹理 32歳

素っ裸になってポージング台に上がるまでは
バスローブを纏っていました。
台に上がって覚悟を決めると
私は体を隠しているローブをハラリと落としました。

「おお~っ!」

「まあ!お綺麗ですこと…」

生徒の皆さんは口々に感想を述べてくれましたが
それも鉛筆を手にするまでで、
筆を手にすると一人前のアーティスト気分になって
口をつぐんで真剣な眼差しを私にむけました。

「先生、ひとつお願いがあるんです」

「はい、なんしょうか?
あっ、すいませんがモデル代は月謝とチャラにするということでお願いしますよ」

「いえ、そうではなくて
モデルをすると私自身の作品が描けないでしょ?
教室が終わってから先生がモデルになって私に書かせてほしいんです」

そういうことでしたら構いませんよ
本来、この時間に私がモデルになってもいいと思っていたんですから。

そう言って緒方先生は私にポージングをつけてくれました。

「う~ん…そうだなあ…
腕をもう少しこう…うん、そう…
腕組するように…そうそう…
せっかく綺麗なバストですからね、強調しましょうね」

何て言いながら、さりげなく緒方先生ったら
私の乳房に触れたんです。

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